アメリカンフットボールの世界最高峰のNFLを目指した花田秀虎がこのほど、スポーツ報知のインタビューに応じた。2020年の日体大1年時に「アマチュア横綱」に輝いた後、NFL入りを目指して23年にコロラド州立大へ編入。

だがNFL入りが極めて厳しくなった現在、母校・日体大相撲部で稽古をしながら、今年9月の秋場所にタイムリミットが迫った大相撲入りを始め、プロレス・WWE挑戦やNFL再挑戦など模索する中、「自分にしかできないことをやりたい」と心境を明かした。

 花田は日体大相撲部1年だった20年にアマチュア横綱となった。その後、角界入りはせず、23年にコロラド州立大に編入。24年に右肩を痛め、昨年はコロラド州立大で学生コーチを務めながらIPP(インターナショナル・プレイヤー・パスウェイ)と呼ばれるNFLの外国人選手発掘プログラムにチャンスを懸けたが、参加資格を得られなかった。NFL入りは極めて厳しい状況だ。

 「IPPに選ばれると思ってトレーニングしていたが僕の実力不足だった。甘い世界ではなかったと痛感している。今は可能性がゼロではないNFLのトライアウトを受け続ける選択肢もあるが、相撲、プロレスのWWE、ビジネスなど4つの選択肢を考えている。今は、日体大の相撲部で体作りのために稽古をしている」

 10月に25歳を迎える花田が角界入りするには、年齢制限があるため、9月の秋場所で初土俵を踏むことがリミットとなる。

 「秋場所までまだ時間があるので焦らなくていい。今は体をガンガン鍛えている。日体大での稽古に慣れてから、早ければ今月中に大相撲の部屋に出稽古に行ってレベルを測ることも考えている」

 花田は22年の世界一を決めるワールドゲームズ(米国)で、日体大の1学年上である横綱・大の里(二所ノ関)を重量級決勝で破った。

しかし元アマ横綱が米国でのアメフトの経験を経て、角界に入るのならば前代未聞。不安はないのだろうか。

 「米国でアメフトに挑戦したことに後悔は全くない。英語も話せるようなったし、カルチャーショックも受けた。ただ、大相撲は俯瞰(ふかん)してみると特殊な世界でもある。よく考えたい」

 かねて仲の良い幕内・伯乃富士、同学年の義ノ富士(ともに伊勢ケ浜)が初場所で金星を獲得した。大関の安青錦(安治川)とも交流がある。

 「伯乃富士関とは初場所中に食事するなど親しくさせていただき、刺激をもらった。義ノ富士関も強くなっているし、安青錦関は世界ジュニア選手権で一緒だった。同年代の活躍を目の当たりにして『スケール大きく生きていきたい』。そういう気持ちが強くなった」

 帰国して相撲の力が上がったという。動画を見せながら自信を口にした。

 「スピードが速くなった。差し合いも昔の動画と比べて早いし、動体視力も良くなった。一方で押し合いでの力の入れ方がまだ抜けている面もある。24年に脱臼した右肩は問題なく、ぶつかり稽古で修正していきたい」

 選択肢としては(米国のプロレス)WWEもある。花田はプロレス未経験だが、実は昨年に“スポンサー契約”を結んだ。以前WWEからNFL入りした例もある。

 「ただ、もしWWEに挑むならプロレスで成功するという覚悟を持たないといけない。甘い世界ではないと思う」

 今後は相撲界とどのように関わっていくつもりなのだろうか。

 「何を行うにせよ相撲に恩返ししたい気持ちはずっと持っている。米国で日本のイメージを聞くと漫画、アニメ、歌舞伎と並んで相撲が入ってくる。もっと世界に評価されるべきコンテンツ。いずれは世界に相撲を広められる活動もできたらいい」

 ◆花田 秀虎(はなだ・ひでとら)2001年10月30日生まれ、和歌山県出身の24歳。

小学2年から相撲を始め、和歌山商高を経て日体大1年でアマチュア横綱。大学1年の横綱は久嶋啓太(元幕内・久島海)以来36年ぶりの快挙。23年に日体大相撲部を休部してアメフト転向。23年にコロラド州立大へ編入。ポジションはDL(ディフェンシブライン)。186センチ、133キロ。

 ◇大相撲の新弟子検査受験資格 原則、身長167センチ以上、体重67キロ以上の体格基準を満たした(中学卒業見込み者に限り165センチ以上、65キロ以上)23歳未満(満たない場合は新弟子第二検査で運動能力をチェックする)。ただし花田氏のように日本相撲協会が指定している社会人や大学のアマ大会で一定の成績を有した人、各競技で高校以上の全国大会へ出場経験のある人、新弟子運動能力検査に合格した人は25歳未満。年齢制限緩和が適用されての受検は23歳2か月だった幕内・一山本(当時二所ノ関、現放駒)などの例がある。

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