◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 芸能担当になって約1か月。昨年まではレイアウト担当で、自宅と会社の往復だった。

取材生活は新鮮で、仕事内容も変わり、勉強になることばかりだ。

 ある日、ベテラン漫才コンビ「ザ・ぼんち」の里見まさとを取材した。81年に「ザ・ぼんち」で、93年には「里見まさと・亀山房代」で2度も上方漫才大賞を受賞したレジェンド。昨年は73歳にして、結成16年以上の漫才師による賞レース「THE SECOND」のグランドファイナルに進出し、再び脚光を浴びた。私にとって人生初インタビュー。しかも相手は大御所。緊張しっぱなしだったが、拙い質問にも懐広く、丁寧に答えてくれた。

 その理由が垣間見えた気がした。芸歴54年の間には2度の解散に月給0円時代も経験。街中で心ない言葉を浴びせられたこともあったという。それでも猛稽古と、舞台に立ち続けたことで結果がついてきた。「よくこの世界で残ってこれたなと本当に思ってるし、(ぼんち)おさむや亀山さんと出会う縁や良い運にも恵まれた」。

人とのつながりを大切にしているからこその姿勢。関係者も「いつも勉強になることばかりです」と証言するほど、誰に対しても腰が低い。人とのつながりで成り立つ記者の私も学ばなければと思った。

 写真撮影後、私につぶやいたさりげない一言が忘れられない。「一歩踏み出そう、そうすれば景色は変わる」。天国も地獄も経験しているからこその金言。私も初心を忘れず、謙虚に、挑戦し続けようと誓った。(芸能担当・古本 楓)

 ◆古本 楓(ふるもと・ふう)2023年入社。編成部を経て26年1月から文化社会部。

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