シンガー・ソングライターの長渕剛(69)がこのほど、スポーツ報知の取材に応じた。全国ツアー「7 NIGHTS SPECIAL」最終公演(昨年11月28日、Kアリーナ横浜)がCS放送・TBSチャンネル1で23日午後5時から全曲ノーカットでテレビ初放送されることが決定。

「総決算だった」という同公演や今年の活動について語った。(加茂 伸太郎)

 Kアリーナ公演から3か月、心身ともに完全燃焼していた。「体を鍛えていると言ってもね、(ライブが始まると)限界を突破せざるを得ないから。今回のような(規模での)激しいパフォーマンスは終わりにしようかなと。我が人生に悔いなし、でしたね」

 長渕と言えば、魂を震わせる全身全霊のステージ。最高のものを届けたいという一心でリハーサルの段階からスタッフ、観客一人ひとりとも真剣勝負。当日は2万人近くと拳を上げた。

 1978年に「巡恋歌」で本格デビュー。半世紀近く第一線を走り続けてきたが、「ああいった連帯感、一体感は僕しか作れないと思います。心血を注いで音合わせをしてきたから。寸暇を惜しんでボロボロになるまでやっている」という自負がある。

 近年は3世代、4世代で訪れるファンの姿も目にするようになった。

ファンは同じ時代を共に歩んだ、言わば同士。これまでにない感情がわき上がっていた。

 「こいつらと一緒に歩んできたんだなって。今まではじじい、ばばあになるんじゃねーぞ!と鼓舞してきたけど、そうじゃない感情が生まれたのは初めて。子どもを抱っこしながら拳を上げる若いお父さんを見ると、やってきて良かったと思ったし、もっといいものを届けたいと思いましたね」

 ライブ当日は30台のカメラを設置した。許諾を得て、場内にドローンを飛ばし、初めてライブ撮影を行った。「あり得ない角度からの映像が見られるので面白いですよ。想像以上。照明や音合わせまで(含めて)、パフォーマンスも最高点に感じましたね」

 今年はギター1本のシンプルなステージを計画中で、ホール規模を回る。2年後に節目の50周年を控え、同じ志で同じ熱量を持った“最強クリエイター陣”を結集させるための足がかりにする。長渕にとっては重要な2年間になる。

 「50周年の入り口のドアを開けることになる。

現在、コンサートのあり方はアーティストファーストでもなく、ファンファーストでもなく、お金が主体になってしまった。その中で、いろいろなジャンルの協力者を募っている(段階)。2年かけてたどり着かなきゃいけない。僕が言うと『(長渕は)まだそんなこと言っているの?』でしかないでしょ。そういう(志の低い)人たちとはできないですよ」ときっぱり。覚悟を持って臨むつもりだ。

 異端児扱いは慣れたもの。これまでも幾度となく、逆風を力に変えてきた。長渕は「70歳でやるのは、そうできないぞって。悔しかったらやってみろ!ですかね。もう少し頑張りますよ、僕は」と不敵に笑った。(加茂 伸太郎)

 〇…同チャンネルでは22、23日の2日間、特別編成で長渕の計11番組を放送。

15年の10万人オールナイトライブ(富士山麓ふもとっぱら)や、コロナ禍に行った20年の国立国際医療研究センターでの激励ライブ、「黒いマントと真っ赤なリンゴ」「HOPE」のミュージックビデオを届ける。

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