ミラノ・コルティナ五輪は6日に本格的に競技が始まった。柔道女子48キロ級で2024年パリ五輪覇者の角田夏実さん(33)がこのほど、スポーツ報知の取材に応じ、日本選手団にエールを送った。

初出場のパリ五輪で重圧を乗り越え、日本勢第1号の金メダルに輝いた経験をもとに「自分を信じる」大切さを語った。(取材・構成=林 直史)

 角田さんは、応援する側に立って迎えるミラノ五輪に熱視線を送る。パリ五輪後に番組共演などで意気投合した親友で、スピードスケート女子の18年平昌五輪2冠・高木菜那さん(33)の影響もあり、冬の競技への関心も強まっている。

 「冬の五輪はこれまでは結果を見るぐらいの形でしたが、今回は自分がパリで五輪を経験してから初めての大会。高木菜那ちゃんと仲良くさせてもらっていることもあってすごく興味があるので、しっかり見たいなと楽しみにしています」

 注目する競技は、菜那さんの妹・高木美帆(31)=TOKIOインカラミ=を中心にメダル量産が期待されるスピードスケートだ。

 「菜那ちゃんに楽しさを教えてもらえているので。スピードスケートは本当にメダルも期待できる競技だと思っていて、すごく楽しみにしています。菜那ちゃんに『柔道では2人の中で見えない駆け引きがあるんだよ』という話をしたら、『スピードスケートにも選手によって癖がある』と言っていて。それを聞いて見るとさらに面白いなと感じたので、いろんな選手の戦い方を知った上で、見ていきたいなと思っています」

 既に競技の予習も進めている。高木菜さんが2冠に輝いた平昌五輪の映像を一緒に見る機会もあった。

 「パシュート(団体追い抜き)や個人戦の映像を見ながら、その時の心境を聞いたこともあって、楽しかったですね。マススタート(決勝)の最後の抜く瞬間を見て、新しい競技や種目に対してもすごく興味が湧きました。

妹の美帆さんとは番組の収録の時に一度だけお会いしたことがあります。『姉がお世話になっています』とあいさつしてくれて、『はい。こちらこそです』と。笑ってすれ違った程度ですけど、姉妹で話し方が似ているなと思ったり、親近感を持っているので頑張ってほしいですね」

 角田さんは世界選手権を3連覇し、23年6月にパリ五輪代表に内定した。競技日程もあり、1年以上前から「金メダル1号」の期待と重圧を受けながら、圧倒的な強さで頂点に立った。

 「小学2年で柔道を始めた時、谷亮子選手が(00年シドニー五輪で)金メダルを取った姿を鮮明に覚えています。それぐらい年齢層も広く、全国民が背中を押してくれる大会。素敵な出会いといろんな方の支えがあって、雲の上の存在だった舞台に立つことができました。五輪までの1年間は眠れない日や無性に苦しくなることもあって、何度も逃げ出したくなりました。プレッシャーは本当にきつかったですが、私にできるのは試合の日に最高のパフォーマンスができる準備をすることだけ。『五輪の日のために』と妥協せずにトレーニングを重ねられたことで、試合当日は今までやってきたことをやるだけだという思いで戦えました」

 ミラノで戦う選手たちには「自分を信じる」と色紙に記してエールを送った。

 「私は自分を信じることが大事だと思っています。

最後に戦うのは自分。五輪という舞台、プレッシャーの中でしっかり信じられる自分を作り上げていって、試合自体は楽しんでもらえたらいいなと思います」

 ○…角田さんは「自分を信じる」と色紙に記し、冬の祭典に挑む日の丸戦士にエールを送りました。スポーツ報知では、角田さんの金言を、ミラノ・コルティナ五輪報道の紙面メインカットとして掲載し、17日間の熱戦を伝えていきます。

 ◆角田さんのパリ五輪 31歳11か月で初出場。得意のともえ投げを軸に最大のライバルのブクリ(フランス)との準々決勝を1分で制するなど、初戦から4戦連続一本勝ち。決勝はともえ投げで技ありを奪って優勢勝ちし、日本柔道史上最年長金メダル。日本選手団金1号、夏季五輪通算500個目のメダルとなった。混合団体でもフランスとの決勝で2階級上の銅メダリスト・シシケを破り、日本の銀メダルに貢献。

 ◆角田 夏実(つのだ・なつみ)1992年8月6日、千葉・八千代市生まれ。33歳。八千代高から東京学芸大、SBC湘南美容クリニック。52キロ級で2017年世界選手権2位、18年アジア大会優勝。

19年講道館杯で48キロ級に階級を下げて優勝した。同階級で21年から世界選手権を3連覇。24年パリ五輪金、混合団体銀メダル。今年1月引退表明。得意技は関節技、ともえ投げ。161センチ。家族は両親と姉。

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