◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 団体戦(6日、イタリア・ミラノ)

 【ミラノ(イタリア)6日=大谷翔太】フィギュアスケート競技が開幕し、団体第1日で前回北京五輪2位で初の金メダル獲得に挑む日本は2位発進した。米国が1位。

ショートプログラム(SP)で女子の坂本花織(25)=シスメックス=が今季世界最高の78・88点、ペアは三浦璃来(24)、木原龍一(33)組=木下グループ=が82・84点をマークし、ともに1位。アイスダンスのリズムダンス(RD)は吉田唄菜、森田真沙也(ともに22)組=木下アカデミー=が8位。種目ごとの順位点合計で順位が決まり、鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=を起用する7日の男子SPの結果を含めて上位5チームがフリーに進む。

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 喝采を浴びる坂本は、両手を胸にあててつぶやいた。「よかった」。団体初の金メダルを狙う、日本のエース。SPは今季世界最高を更新する78・88点で、世界女王のリュウを抑えて1位。10点を追加し、合計23点で日本を2位まで押し上げた。「今できる自分の演技ができた。マックスのポイントを取れたので、めっちゃ満足」。キスアンドクライでは、仲間たちと笑顔ではしゃいだ。

 坂本の最後の五輪が始まった。

大会開幕日、最終種目の最終滑走。「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」の曲に乗り、冒頭の3回転ルッツを着氷。続くダブルアクセル(2回転半ジャンプ)、最後の3回転フリップ―3回転トウループの連続ジャンプを降り、ノーミスの演技を披露した。米国に2点差と肉薄。「団体、個人で銀メダル以上」の目標に、まず1歩近づいた。

 自室の枕元に、お気に入りの物を置く棚がある。北京五輪の団体銀メダルも、そこにある。「疲れたぁ」と寝転びパッと起き上がると、目に入るメダル。時折正座して、じっと眺めるという。「その時(五輪)の情景が、呼び起こされるんですよ」。目に浮かぶのは、応援する仲間や、リンクサイドの中野園子コーチ。「よし、頑張ろう」。

当時の緊張感と興奮が湧き上がり、心に火が灯る。

 「北京でメダルを獲得できて、いいきっかけになった」と、日本が初めて手にした(当時の)銅メダルが現役続行のきっかけの一つ。団体への思いは誰よりも強く、今大会はSP、フリーとフルスロットルの起用が見込まれる。

 泣いても笑っても最後の五輪。日本女子史上初の3大会連続出場は、最も円熟味を増して乗り込んだ。「誰が来ても、勝てるようにします」と力強く宣言した副将。金メダルを獲得した荒川静香が06年トリノで、金妍児は2010年バンクーバーで、ともに青の衣装をまとって氷上を舞った。“金メダルカラー”の青の衣装に包まれた坂本がチーム・ジャパンを頂点へ導く。(大谷 翔太)

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