◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽ノルディックスキー・ジャンプ 女子個人ノーマルヒル(7日、プレダッツォ・ジャンプ競技場)

 初出場の丸山希(27)=北野建設=が、合計261・8点で今大会日本勢のメダル第1号となる銅メダルを獲得した。同種目で日本女子のメダル獲得は、18年平昌五輪銅メダルの高梨沙羅(クラレ)以来2大会ぶり2度目の快挙となった。

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 丸山の強さの原点は故郷、長野・野沢温泉村にある。人口約3300人ほどの小さい町に、スモールヒル、ミディアムヒル、ノーマルヒルと3つのジャンプ台を備える。自宅からは歩いて通える距離。幼少期から生活の中にジャンプがあった。丸山も兄姉がスキークラブに入っていた縁もあり、遊び場はジャンプ台。ミニスキーを履いてスキーを始め、小4で自身もスキークラブに入った。

 雪が降ればクラブみんなで雪を足で押し固めジャンプ台をつくることから始める。ジャンプだけでなく、アルペン、クロスカントリーにも取り組み強化する。

 ジャンプ練習ではスモール、ミディアムヒルの助走路にレールをつくらず、ジャンプのスキー板ではなくクロスカントリーの細いスキー板で助走路を滑らせる。当然、重心の位置をしっかりしていないと安定しない。この頃から、滑りの感覚を体に染み込ませてきた。小学時代に丸山を指導した笹岡洋介氏(48)は「足裏の感覚とかはクロスカントリースキーやアルペンをやっていたから優れているんだと思う」と振り返る。

 ジャンプ台の施設に貼られているスキークラブのポスターには「未来のオリンピック選手を目指して」と目標が掲げられている。小学生当時から「基本は五輪を目標に指導している。ことあるごとに五輪出るぞって言いながら指導しているので早くから意識していたと思います」と笹岡氏。

 村からは94年リレハンメル五輪複合の河野孝典(個人銀メダル、団体金)、ジャンプの西方仁也(団体銀)以来のメダリストが誕生した。スキーの「虎の穴」で培った技術が、夢舞台で花を開いた。(松末 守司)

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