将棋のユニバーサル杯第52期女流名人戦(主催・報知新聞社ほか)五番勝負第3局が8日、千葉・野田市の関根名人記念館で指された。挑戦者の西山朋佳女流二冠(30)=白玲、女流王将=が福間香奈女流名人(33)=清麗、女王、女流王座、女流王位、倉敷藤花=に勝利し、対戦成績3勝0敗で3期ぶりに女流名人位を奪還した。

 対局の緊張感から解き放たれ、左手薬指のリングにそっと触れた。4年連続の女流名人戦。3期ぶりのタイトル奪還に「挑戦して失敗するということが続いていたかなというところで、満足のいく内容だったけど、結果がついてきていなかった。一つ結果があげられて、そこはうれしく思っています」と安どの笑みを浮かべた。

 今年度は手術を伴う体調不良もあり、4月に女流王位戦の挑戦を辞退し、6月にマイナビ女子オープンを失冠した。「明らかに(体調が)おかしかった。もう起き上がれないとか、そういう状況でした。(夫からも)『対局も異常にしんどそうに行っている』と言われて」と告白。検査の結果、貧血が判明した。

 その後は、夫が交際期間中から献身的にサポートした。体調も回復し、女流棋戦では結婚公表後、10戦9勝と強さを見せている。

 「病院通いもあったけど、ほとんどついてきてくれて助かりました。

支えてもらって精神的にありがたかったです」と感謝。「食事の面でも、いろいろと見直してもらいました。1人だとお菓子で済ませていたけど、かなり(の頻度で)作ってもらい、本当にお菓子(を食べること)がなくなりました。お肉や野菜がしっかりあって。今ではあまりに健康体(となりました)」

 この日は昨年11月の結婚発表後、初戴冠だった。「結婚に伴って親族が増えて、応援してくれている。リアルタイムで見てくれているので、意気込んで臨んでいました。結果がこういうふうについてきたのは良かったなと思います」

 25年6月以来の女流三冠に返り咲いた。マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦進出が決まるなど、今後もさらなるタイトル獲得に向けた戦いが続く。

 「しっかり反省して、今後も目標を持って頑張っていければ」ときっぱり。希望に満ちた未来が広がっている。(中西 珠友)

 ○…この日は、野田市を含む千葉県北西部に大雪警報が発令され、対局場周辺も数センチの積雪を観測。

10日に故郷・北九州市内で同市市民文化大賞を受賞する森下卓九段(59)は交通網の寸断を心配した。対局後の西山新女流名人は「雪だるまと対面するのは小学生ぶり。かわいい~!」と笑顔を見せていた。

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