衆院選で、議席横ばいとなった国民民主党。玉木雄一郎代表は選挙前からずっと「多党化の時代がくる」と主張していたが、それも与党が過半数ギリギリにとどまり、中小政党がキャスチングボートを握る状況になることを前提としていたからこその言葉。

自民の圧勝は、かなりの誤算だったはずだ。実際、選挙戦中盤以降は玉木代表ら国民幹部は演説でも「野党第1党を目指す」と目標を切り替え、存在感アピールに躍起だった。

 選挙直前のスポーツ紙の合同インタビューで興味深い発言があった。支持母体の1つである労働組合組織「連合」との距離感だ。「もし与党連立したいとなっても、連合がいると踏み切れないのでは?」との質問に「大切な応援団として意思疎通しているけど、全部が全部、連合の言う通りかというとそうではなくて…」との答え。「尊重はするが、最終的な政治の判断は政党や政治家が責任持ってやらないと責任は果たせない」と話していた。

 福井1区など、候補者が立憲民主党とかぶったことで連合に抗議されたことを念頭に置いた発言なのだが、やや微妙な距離感を表す言葉だった。そこまで連合に縛られているわけではないのなら、与党との「閣外協力などの連立に近いこと」もあり得るのでは?

 玉木氏は選挙前、「国民民主党はすぐ作る町中華。自民、中道の掲げる『食料品消費税ゼロ』は成立には時間がかかり、フレンチのようにおなかをすぐ満たせない」など、わかりやすい例えで大きな政党との違いを強調していた。選挙が終わった直後なので、今後国民民主党がどう行動していくのかはまだハッキリしない。想定外の選挙結果を受け、国民民主党がどう独自感を出していくのか。玉木氏は選挙後「私たちの声は聞かなくなるんじゃないかとの心配はあります」と危惧しながら「税を払っている側の立場からの提案は、自民党より国民がしていける余地はある」と述べた。

(樋口 智城)

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