◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
26日に59歳の誕生日を迎えるJ3福島のキング・カズことFW三浦知良。活躍を報じるニュースを見るたびに、99年2月のクロアチアでの出来事を思い出す。
当時31歳の彼は前年のフランスW杯直前で日本代表を外され、所属先のV川崎からは戦力外通告を受けていた。新天地のクロアチア・ザグレブでチームに合流した時、私は「カズ、最後の挑戦が始まる」と書いた。それを読んだ本人がキャンプ地で私を見つけると、ニヤッと笑いながら話しかけてきたのだ。「ねえ、最後の挑戦って誰が決めたの?」と。
あれから27年。スポーツ記者は日々、アスリートの喜怒哀楽に触れてはいるが、あくまで傍観者だ。本人たちの思いをどれだけ理解できているのだろうか。勝つ喜び、負ける悔しさ、けがの痛み、支えてくれている人たちへの感謝、限界を感じる苦悩…。同じような思いを自分の体で味わいたくなり、コロナ禍が落ち着いた数年前、長年やりたかったブラジリアン柔術を始めた。
最初の練習は吐きそうになるほどきつかった。耳がつぶれてくると、寝返りも打てないほど痛い。それでも肉体は鍛錬を重ねれば頑健になっていく。
◆甲斐 毅彦(かい・たけひこ) 96年入社。高校・大学では山岳部。カズさんより4歳年下の格闘技ファン。

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