◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(9日、ミラノ・スピードスケート競技場)

 【ミラノ(イタリア)9日=富張萌黄】女子1000メートルが行われ、前回2022年北京大会金メダルの高木美帆(31)=TOKIOインカラミ=が、1分13秒95で銅メダルを獲得した。3大会連続メダルを獲得し、積み上げた数は「8」に。

自身が持つ日本女子最多記録を更新したが「完敗」と悔しさをあらわにした。出場を予定する残り3種目での金メダル獲得へ火がついた。前回銀のユタ・レールダム(オランダ)が五輪新の1分12秒31で優勝した。

×     ×     ×     ×

 3大会連続メダル獲得も、高木の表情は硬かった。優勝したレールダムと同走し、1秒64も差をつけられ「今の実力。完敗」と笑顔は少なかった。メダルを首からかけても「ああ、銅メダルなんだ。すっごく悔しさがこみ上げてきた」と連覇を逃し、歓喜するオランダ勢とは対照的な空気が漂った。

 プランを決めずに臨んだ今大会初戦。「自分が出せる最大限のスピードになるべく早くいく」とスタートから攻めた。最初の200メートルを全体2位の17秒61で入った。ラップタイムを大きく落とすことはなかったが、レールダムがラスト1周で一気にギアを上げた。

金メダルは絶望となったが、「自分のスケーティングを全うすることが実行できた」と諦めることなく、メダルをしっかりと手にした。

 五輪で獲得したメダルは「8」になった。大きな数字だが、高木にとっては気にするポイントではない。「7個のメダルは既に過去のもの。今は目の前のレースのことを考えている」と淡々と答えた。そんな中でもコーチのヨハン・デビット氏(46)は氷上で「ブロンズ(銅)だったけど、これがお前の8個目のメダルだ。決して簡単なことではない」と功績をたたえた。

 メダル獲得後には国旗を背中にまとい場内を滑った。その日の丸には出場選手のサイン、コーチやスタッフの名前が記されている。「チームジャパン、いつでもつながっているよ、というメッセージだと思っている。大会が始まる前にみんなで作った」と仲間と心を一つに今大会を戦い抜く。

 悔しさの直後には今後に向けての思いがあふれた。

残り3種目を控えており、金メダルのチャンスははまだまだある。表彰式で深々と頭を下げた際に「このままでは終わらせない」と思いがこみ上げた。「感覚は良くなっている。強く信じて進んでいきたい」。銅メダルでは満足しないのが、日本のエース。頂点だけを見つめた。

▽女子1000m結果

⑴ユッタ・レールダム(オランダ)  1分12秒31(五輪新)

⑵フェムケ・コク(オランダ)    1分12秒59

⑶高木美帆(TOKIOインカラミ) 1分13秒95

⑷ブリタニー・ボウ(米国)     1分14秒55

⑸ベアトリス・ラマーシュ(カナダ) 1分14秒73

⑹エリン・ジャクソン(米国)    1分15秒00

⑺山田梨央(直富商事)       1分15秒16

⑻スザネ・シュルティング(オランダ)1分15秒46

編集部おすすめ