◆サウジカップ・G1(2月14日、キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)追い切り=2月11日、キングアブドゥルアジーズ競馬場

 ただ、成功体験を踏襲したわけではなかった。フォーエバーヤング(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎、父リアルスティール)はダートコースでアメリカンステージ(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎・父イントゥミスチーフ=リヤドダートスプリント出走)を3馬身追走。

併走馬も追い切りの形も昨秋に頂点を取ったBCクラシックの時と同じだった。「ありがたいことに同じチームで来て、結果も出ていますから」と坂井瑠星騎手。しかし、実はしっかりと“サウジ仕様”を意識した追い切りだった。

 直線入り口。後ろから内の僚馬を見ながらも、人馬のリズムを守るように、その手はなかなか動かない。デルマー競馬場の小回りを意識して、気を抜かないように3コーナー過ぎから手綱を動かしたアメリカとは違った。ラスト2ハロンでわずかに馬体が重なると、併走状態でともに加速。最後は軽く気合を乗せるように促しながら、馬体がぴったりと合った状態で併入した。

 坂井騎手は「コース形態が違って、直線も長いので、しっかり直線に向いてからという感じです」と意図を説明した。昨秋と同じようにアメリカンステージ騎乗で先導した荒木助手も「直線に向くところでスッと並んで併走。内容としては非常によかったです」と納得の表情。世界各国を渡り歩く“チームYAHAGI”の豊富な経験値は異国でも動じない柔軟な対応を生む。

 その先にドバイ・ワールドC(3月28日、メイダン競馬場・ダート2000メートル)を見据える始動戦。ただ、レースが近づくにつれ、確かな上昇曲線を描いているのは間違いない。「みんなが倒しにくるのはいつものこと。気にしていないし、いつも通りです」と坂井騎手は泰然自若。集大成の1年は世界一の“防衛”から始まる。(山本 武志)

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