◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 不撓(ふとう)不屈。高校時代、この言葉を筆書きしたものが黒板の上に飾られていた。

意味は「どんな困難にあっても決して心がくじけないこと」。毎日目にしていても、本当に大事なものだと感じるには、若かったかもしれない。

 高校卒業から、6年がたつ現在。18歳の頃より壁にぶつかりまくっている分、いかにこの精神が重要かを思い知る日々だ。

 昨年はJリーグを取材した。その中で、前述した4文字を座右の銘に掲げ、ぴったりなアスリート人生を送る選手がいた。

 J1神戸のGK新井章太(37)。昨年9月に左膝前十字じん帯損傷の大けがを負い、今もリハビリに励む。話が聞けたのは同11月。負傷した直後でも試合前、試合中、試合後、ベンチ内外にかかわらずとにかく熱い。その源に、少しだけ触れた気がした。

 プロキャリアをたどると、国士舘大から2011年に東京Vに加入したが、2年で契約満了となっている。

「もう終わり?って」と回想する。その後、トライアウトを受けて川崎へ加入。「もう逆に何も怖くないんですよ。トライアウトって本当にとんでもない雰囲気だし、クビになって一番苦しい時期。あの経験が強くしてくれた」。大卒2年目であれば今の私と同じ時期。当時どんな心境で日々を送っていたか、想像もつかない。

 新井は、今年でプロ16年目。一度“終わり”を感じた自身にとって「不撓不屈」は「自分のための言葉って思うくらい」のものだという。自分の支えになっている熟語、四字熟語、ことわざ、なんでもいい。読者の皆さんにもそんな言葉に出会ってほしい。(ソフトバンク担当・森口 登生)

 ◆森口 登生(もりぐち・とうい) 24年入社。

今季からソフトバンク担当。

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