ロッテの応援団長や楽天の応援プロデューサーを務めるなど、広くスポーツ界で「応援のプロ」として知られる作曲家のジントシオ氏(45)が、昨夏の甲子園で16年ぶりに4強入りした県岐阜商の新チャンステーマ(チャンテ)を書き下ろし、このほど完成した。14日に開かれる同校吹奏楽部の「創部100周年記念演奏会」で初披露される予定だ。

 同校の吹奏楽部といえば、昨夏の甲子園で郷ひろみの名曲「GOLDFINGER’99」などのノリのいい演奏で、名門野球部を準決勝進出へと後押ししたことも記憶に新しい。

 ここに新たな“援軍”が加わった。ジン氏作曲のオリジナルチャンテが完成し、14日の記念演奏会で初めて奏でられることになったのだ。

 事の発端は延長11回タイブレークの死闘となった昨夏の甲子園準々決勝、県岐阜商-横浜戦だった。県岐阜商はV候補の一角を8-7で下し、全国の高校野球ファンの度肝を抜いた。同校吹奏楽部OB会長の牧野勝也さんは、以前から甲子園中継で流れるジンさん作の名曲「青のプライド」のファンで、「ウチにも1曲つくってほしい」との夢を持っていた。

 「でも面識もなく、ツテもないなと思っていて…ところが横浜戦の選手たちの頑張りを見ていたら、心が奮い立って。あの勝利の翌日、ダメ元でジンさんにメールを送ったんです」

 ジン氏からは、わずか1時間後に返信が届いた。「周りを巻き込んでやりましょう」との内容だった。ジン氏は言う。「昨夏の甲子園の活躍を思い出しながら、疾走感あふれるメロディーを意識しました。手応えはすごくあります」。

曲は完成し、11日にはジンさんが同校を訪問。そもそもは指導を行う予定だったが、「最初の演奏から、修正するところがないほどでした。完璧でした」と高い完成度に驚嘆した。

 14日の記念演奏会では、異例の「曲目選挙」が実施される。4つの候補のうちからどれが最高か、会場で投票を行うというものだ。後日、野球部などの意向も反映した上で、最終決定する方針だという。周囲を巻き込むことで、「みんなのうた」として、愛されるチャンテにしたいとの願いもある。

 「新しい100年に向けて、この曲とともに甲子園で新しいムーブメントを起こしてほしい」とジン氏。名門伝統校と稀代の応援家による夢コラボ。聖地で鳴り響く瞬間が、今から待ち遠しい。(加藤弘士)

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