◆サウジカップ・G1(2月14日、キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)=2月12日、キングアブドゥルアジーズ競馬場

 悠然とした姿に絶対的な自信が漂っていた。フォーエバーヤング(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎、父リアルスティール)は前夜に決まった6番ゲートからの発走。

矢作調教師は真っすぐに前を見据え、力強く言い切った。「枠がどうこう言うレベルの馬じゃない。うちの馬が一番強いのは分かっていて、マークされるわけですから、外枠の方が楽でしょうけどね」。

 愛馬との再会が手応えを深めた。前日に現地入りし、この日の朝に馬体をチェック。「普段、あまり馬を見ない調教師だから」と冗談っぽく切り出した後、こう言葉を続けた。「たまに見た時の感性をすごく大事にしているけど、久しぶりに見た今朝の感じができているな、と」。ブリーダーズCクラシックからの直行に加え、先にドバイ・ワールドC(3月28日、メイダン競馬場・ダート2000メートル)を見据えた仕上げ。しかし、変化を感じた後の共同会見では「オーバー90%」と納得の表情を浮かべた。

 思い出の地へ帰ってきた。一昨年にサウジダービーを勝ち、昨年はサウジCでロマンチックウォリアーとの死闘を制した。「最後に差し返して、勝てるようなら本当に素晴らしい映画のラストシーンになると思っていたので、フォーエバーヤングにアカデミー賞をあげたい」と笑顔。

今年は場内の多くの場所に愛馬の絵画や写真が並ぶ。調教での一挙手一投足にも視線が集中。世界の注目を浴びていることが誇らしい。

 前夜の枠順抽選会では2頭の刺客を送り込むバファート調教師に声をかけられ、「準備はできている」としっかり返した。「残念ながら(サウジCの)3連覇はできない。今年いっぱいでリタイアすることになっているからです。このミッションをしっかり成し遂げたいと思っています」。最後のサウジ。美しい思い出たちに、さらなる彩りを加える。(山本 武志)

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