ミラノ・コルティナ五輪スノーボード女子ハーフパイプの決勝が12日、イタリア・リビーニョで行われ、2大会連続出場の小野光希(バートン)が銅メダルを獲得した。前回の22年北京五輪9位から大きく飛躍した。

小野の埼玉・吉川市立中央中時代の担任だった上野信代教諭(60)が13日、スポーツ報知の電話取材に応じ、メダリストが当時から世界を目指して努力を重ねてきた様子を明かした。

* * * *

 決勝戦の滑走直前。テレビ画面越しに緊張しながら教え子の姿を見守った上野さんは「予選の時と顔つきが違うな。覚悟を決めている表情だった」と感じたという。小野は1本目に85・0点の高得点をマークし、4年前の北京五輪9位の悔しさを晴らす見事な銅メダル獲得。「うれしかった。思わずガッツポーズが出た」と声を上げて喜んだ。

 小野が2018年世界ジュニア選手権を制し、注目を集めた中学3年時のクラスの担任を務めた。同年10月後半になると大会出場で何度も海外を往復するなど、生活は多忙だったが学業と両立した。「来週からスイス」と言いながら、1週前に提出物をきっちりとこなした。性格は「物おじせず、芯が通っていた」と振り返る。

 母・静恵さんの送迎で埼玉から神奈川へ練習に通った。

土、日曜日が中心で、週に1、2度は平日に出向くことも。帰宅が午前2時になることもあったが、学校に遅刻することはなかった。進路を決める三者面談の際に「リモート授業のある高校に行きたい」と言った小野の言葉から、上野さんは世界を目指し競技に打ち込む強い覚悟を感じ取った。北京五輪後には自ら早大進学を決断し、文武両道を貫いた。

 中学当時、ハーフパイプの競技者は少なかったが、上野さんが小野の大会での映像をクラスで流すなどして、自然と応援する雰囲気が出来上がった。「光希に直接『おめでとう』と伝えたい。メダルを持って中学校に凱旋してきてほしい」と上野さんは目を細めた。家族、周囲の支えでつかんだ表彰台となった。(岩原 正幸)

編集部おすすめ