歌舞伎俳優の中村時蔵が13日、都内で歌舞伎座「三月大歌舞伎」(3月5~26日)の取材会に尾上松緑、坂東巳之助、中村隼人と出席した。

 昼の部の「加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ)」は、1月に新国立劇場・中劇場で上演された「鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」の後日譚。

「鏡山―」で中老尾上を勤めた時蔵は「1月の手応えは、全くないです。繊細な役で、こんなに綱渡りしているような役はあまり経験したことがない。一挙手一投足、間違えた動きをすると全く違う感じで伝わってしまうので、気をつけました。非常にやりがいのある役でした」と振り返った。

 3月は二代目尾上を、父の中村萬壽とダブルキャストで演じる。父に対して「絶対に負けないぞ、という強い気持ちで臨みたい。1月に尾上を勤めたので、それがいい方向に働いてくれたらいいな」。その上で「どのように勤めるからは、これから考えるところです。父がどのように勤めるのか、分かりませんので。まるっきり同じにならないようにしようと。尾上としての格が必要になってくる」と気を引き締めた。

 夜の部「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」ではお嬢吉三を勤める。

「「月も朧(おぼろ)に白魚の」から始まる名ゼリフが見どころで「お嬢吉三は初役の時に7代目菊五郎のおじさまから教わった。それに加えて、父(萬壽)のお嬢を見て、気づかされることがあった」と明かした。

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