◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 男子フリープログラム(13日、ミラノ・アイススケートアリーナ)

 【ミラノ(イタリア)13日=大谷翔太】男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位から出た鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)は176・99点、合計280・06点で2大会連続の銀メダルを手にした。

 青に金があしらわれた新衣装で、イタリアのオペラ「トゥーランドット」を舞った。

冒頭の4回転サルコーでステップアウトし、今季国際大会で回避してきた4回転フリップを投入したが転倒。後半の4回転トウループも着氷が乱れるなど、苦しみながら最後まで懸命に演じた。

 18歳で初出場した2022年北京五輪は団体、個人で銀メダルを獲得。今大会も団体銀で、これで日本史上初めて2大会連続のダブルメダル。日本フィギュア史上最多となる、4つめのメダル獲得となった。女子でも3大会連続出場の坂本花織(シスメックス)が2大会連続ダブルメダルの可能性を残しており、鍵山が一足早く快挙を成し遂げた。

 理想を追い求めてきた。北京五輪後、羽生結弦さんや宇野昌磨さんら先輩が競技会から退いた。その後、24年に全日本選手権を初めて制し、25年に2連覇。ミラノ五輪に向けては、マリニン(米国)最大のライバルとして日本の「エース」の肩書きがのしかかった。聞こえる周囲からの期待の声。「エースとは…」を考える時間も短くなかった。

 今大会前、現地での合宿中。女子で全日本5連覇の坂本花織(シスメックス)に聞いた。「花織ちゃんは、緊張するんですか?」。元世界女王に、重圧との向き合い方を問うた。返ってきたのは「緊張は、頑張ってきた証拠」という言葉。気が楽になった。「いつも緊張から逃げようと、どうやって目をそらそうと、自分じゃない自分を作ったりとかしていたけど、緊張した時は逆に、自然体でいるのが一番いいのかなっていうふうに思った」。自身と同じ立場にいる先輩の言葉が、心に響いた。

 今大会は、団体でSP1位を獲得し、日本の2大会連続メダルに貢献。SP、フリー共に1位だった坂本と、エースの役割を果たした。日本男子としても、2010バンクーバー五輪から5大会連続で表彰台。エースの系譜を、確かに継いだ。

 ◆鍵山 優真(かぎやま・ゆうま)2003年5月5日、神奈川県出身。22歳。5歳から競技を始める。19年12月の全日本選手権でジュニアながら3位。20年ユース五輪で金メダル。同年の四大陸選手権でジュニアで銅メダル。シニア転向後初出場の21年世界選手権で銀メダル、22年北京五輪で銀メダル。24年全日本選手権制覇。父は92年アルベールビル、94年リレハンメル両五輪に出場し、93年に全日本3連覇の正和さん。

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