◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート (13日、ミラノ・アイススケートアリーナ)
男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)が、合計280・06点で銀メダル。22年北京五輪に続く団体とのダブルメダルで、フィギュアの日本勢最多の通算4個目のメダル獲得となった。
やることはやったと、鍵山は瞳の奥で語っていた。フリー176・99点は、自己ベストから30点以上も低い。ただ、今季初めて実戦で高難度の4回転フリップに挑み、混戦を勝ち抜き、五輪2大会連続の銀メダルを首にかけた。「4回転フリップを含め挑戦という形で戦い抜けたことに未練はない」。4年前より背負うものは増えても、攻めた。
SP2位から出たフリーは、イタリアオペラの傑作「トゥーランドット」。好みの青で、金の装飾がされた五輪仕様の新衣装で滑り出した。フリップを含むジャンプにミスが出たが、06年トリノ五輪の女子で優勝した荒川静香を彷彿(ほうふつ)とさせる「イナバウアー」に観衆は酔いしれた。父・正和コーチ(54)の「全部転んでもいいから、最後まで戦ってくればそれでいい」の言葉を胸に舞った4分間。
日本男子のエースとして、王者マリニンに抗(あらが)うべく高難度の4回転ジャンプ習得に傾倒した昨季。本来、スピンやスケーティングが得意な自分を徐々に見失った。昨日できたことが、急にできなくなる。「もう、跳び方が分からないんだ」と、こぼしたこともあった。シーズンイン前に、父と4回転ジャンプを2種類に絞ることを決断。代わりに「演技構成点で満点を目指そう」と、武器を最大限に磨いてきた。
団体SPでは唯一、ステップで満点を獲得。勝負の舞台で自分らしさを取り戻した。そして「守るものはない」と投入を決めた4回転フリップ。挑戦者の気持ちも忘れていなかった。
ジュニア時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた佐藤とのダブルメダル。



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