◆明治安田J2・J3百年構想リーグ東B ▽第2節 藤枝2―0松本(14日・藤枝総合)
J2藤枝がJ3松本と対戦し、2―0で白星をつかんだ。相手チームである松本から加入したFW菊井悠介(26)が後半で2得点。
後半15分、左サイドで味方が得たフリーキックを菊井が右足で蹴り込むと、ボールは相手GKの目前で弾み、右隅に吸い込まれた。仲間と抱き合い、ゴール裏のサポーターに背番号を指さすパフォーマンスは、まるで「俺が藤枝の10番だ」と宣言するかのようだった。後半31分にはPKを冷静に決め、勝利を決定づけた。
菊井にとって古巣との対戦は複雑な心境の試合だった。「難しい感情でした。後にも先にも、これ以上難しいゲームはないと思えるくらい」と振り返る。試合中は元チームメートの徹底マークに苦しみ、ボールに触れる機会も限られた。「得点以外の部分では反省が多いゲームでした」と悔しさをのぞかせる。それでも古巣サポーターの拍手には感謝を忘れなかった。「大ブーイングを覚悟していました。でも、愛のある素晴らしいサポーターでした」と語った。
身長173センチ、体重73キロ。小柄な体格を逆手に取り、創造性あふれるプレーを磨いてきた菊井。少年時代の挫折経験が今の強さの元になっている。神戸伊丹U―15でユース昇格が有力視されながら、突然その道を断たれた。その後、大阪桐蔭へ進学。「ここで一度、壁にぶつからなければユースに上がれなかった理由に気づけない」と覚悟を決め、あえて厳しい道を選んだ。フィジカル重視の環境で走り込みを重ね、主力に定着したのは高校3年時。逆境を乗り越えてきた経験は、礎となっている。
その後、流通経済大を経て、4年間在籍した松本に加入。背番号10を背負い、3年目から2年間は主将を務めた。J2復帰を目指すクラブを昇格に導けなかったことで、重圧にも直面した。「あの時間があったからこそ、人間的にも精神的にも成長できた。

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