◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽ノルディックスキー・ジャンプ 男子個人ラージヒル(14日、イタリア・ミラノ)

 【バルディフィエメ(イタリア)14日=松末守司】五輪初出場で個人ノーマルヒル、混合団体で銅メダルを手にしている二階堂蓮(日本ビール)が、合計295・0点で銀メダルを獲得した。1回目で140メートルのビッグジャンプを見せ1位に立ったが、2回目は136・5メートルと伸ばせなかった。

ドメン・プレブツ(スロベニア)が301・8点で金メダル。2022年北京五輪同種目の銀メダリスト、小林陵侑(チームROY)は6位。2大会連続出場の中村直幹(フライングラボラトリー)は16位だった。スポーツ報知評論家の1998年長野五輪男子ジャンプ団体金メダリスト・岡部孝信さん(55)=雪印メグミルク・スキー部総監督=は、二階堂の悔し涙について「世界一を目指しているんだという志の高さの表れ」と話し、二階堂と小林が出場するスーパー団体へ向け「次こそ金メダルの本命」と期待した。

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 蓮は本当に惜しかったですね。2回目は、直前にプレブツ選手がいいジャンプをしたこともあって力が入ったのか、飛び出しのタイミングが少し遅かった。タイミングが遅れたことで、スキーが上向きになるなど空中姿勢のズレにもつながった。

 蓮のジャンプの良さは、腰を低くした状態から前の方へ低く立ち上がり、後半に距離を伸ばせるところ。1回目はもう言うことがない、完璧に近いジャンプだった。1回目のジャンプが2回目もできていたら、金メダルだったかもしれない。その辺は、本人が一番感じていたと思う。

 今大会、本人も本当に金メダルを取れると思っていただろう。

銀メダルを取っても悔しがって涙を流している姿を見て、世界一を目指しているんだという志の高さが表れているなと感じた。これからも、「世界一になろう」という強い気持ちでやっていくだろうし、今後のW杯や4年後の五輪、その次の五輪も、間違いなく世界のトップで戦っていくはずだ。

 陵侑は、今までも1回目があまり調子が上がらない中で、今回もあまり良くない方のジャンプが出た。飛び出しの前にお尻が少し上がって、重心が上の方に行ってしまった。おそらくアプローチ(助走路)で重心が少し後ろ気味なのかなと思う。2回目はいいジャンプだった。

 現在のジャンプ陣は、蓮にしても陵侑にしても中村直幹にしても、プロ的な意識でレベルが高い練習をしている。W杯などの大会に行くときはチームとして活動しているが、そうじゃない時のトレーニングは個人的にコーチやトレーナーをつけてやっている。世界一を目指していくという高い意識を持って取り組んでいることが、結果にも表れている。

 また、大倉山ジャンプ競技場がナショナルトレーニングセンター(NTC)競技別強化拠点になったことも大きい。僕らの現役時代、NTCは夏の種目が主体の東京にしかなかった。今は個人でトレーニングをやっている選手でも、NTCで体力面や栄養面などのサポートを受けることができる。

選手たちの強化につながる環境も整っている。

 蓮と陵侑が出場するスーパー団体は、本人たちの理想とするジャンプ、パフォーマンスが出せれば、金メダルが見えてくる。カギは、五輪期間の中で一番いいパフォーマンスを出すことに尽きる。次こそは、金メダルの本命です。

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