◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽ノルディックスキー・ジャンプ 女子個ラージヒル(15日、イタリア・ミラノ)

 高梨沙羅(クラレ)は16位に終わり新種目でメダルを逃した。1本目は114メートルの17位で進んだ2本目では距離を伸ばしたが、メダルには届かなかった。

混合団体では銅メダルで前回北京五輪でのリベンジを果たしていたが、今回初開催のラージヒルでは及ばなかった。競技後のテレビインタビューでは「北京五輪五輪を終えたあと、またこの舞台に立てるなんて想像できなかった。どこまでいっても支えていただいてばかりで、返せていないので、まだまだ頑張り続けたいと思います。自分のできる限りのことを尽くして、飛ぶことで誰かに何かを与えられる存在になれるように頑張っていきたい」と語った。取材エリアにくると、周囲への感謝の思いがあふれ、涙を流した。

 「北京の呪縛」を解き放ち、目覚めた。10日の混合団体で日本の3番手として重役を担い、前回22年北京五輪でスーツの規定違反で失格し、引退さえ頭をよぎった悪夢を振り払う銅メダルを獲得した。生涯最高のメダルと話した何よりも大事な宝物を「もうずっとかけていました。寝ている時にもかけていました」とうれしそうだったが、喜びに浸るのは1日だけ。気持ちはすぐに切り替えた。

 心も頭もクリアになったことでジャンプの質も向上。低い姿勢から鋭く飛び出す高梨本来のジャンプを取り戻し、公式練習でも好飛躍を連発し、この日を迎えていた。

 この4年間、自身のジャンプを追求する長い旅を続けてきた。昨季からルールが変更され着地姿勢(テレマーク)の比重が高くなった。苦手としてきた重点課題だった。

 今夏は長く高梨をサポートする牧野講平パーソナルトレーナーとシーズンが始まる前に話し合いの場を持ち、「このままでは勝てない」。課題のテレマーク姿勢、助走路の滑りをゼロから見直すことを決めた。陸上トレーニングからヒットアンドエラーを繰り返し、いい動き、悪い動きを自分の体と頭で理解させた。牧野氏は「気づきが大事。この年でこんなことから始めるのってくらい初歩からやり直した。テレマークなら手の上げ方、角度まで細部にわたってやりました」と話し、進化を図ったが、メダルはならなかった。

 

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