厚生労働省は、2018年に新たにがんと診断された患者の「5年生存率」を取りまとめ、公表した。全国の病院などに情報の届け出を義務付けた「全国がん登録」に基づく集計で、すい臓や肺、多発性骨髄腫などで治療成績の向上が確認された。

 15歳以上の部位別生存率では、前立腺が92.5%(2017年は92.2%)、女性の乳房が88.4%(同88.0%)と高い水準を維持した。制度開始時の2016年データと比較して5%以上の改善が認められた部位だ。すい臓は13.5%(同12.6%)、肺は39.6%(同39.8%)、多発性骨髄腫は51.1%で、難治とされるがんにおいても生存率が上昇した。

 このほか、大腸(結腸・直腸)は68.0%、胃は64.4%、子宮頸部は71.4%、肝および肝内胆管は34.4%。なお、2016年と比較して生存率が低下した部位はなかった。

 15歳未満の小児がんでは、12分類すべての平均生存率は85%だった。部位別では網膜芽腫が98.6%で最も高く、リンパ腫・リンパ網内系腫瘍が96.6%(同91.8%)、胚細胞性腫瘍などが95.5%、腎腫瘍が91.2%、白血病などが84.3%となった。小児でも中枢神経系腫瘍や肝腫瘍、軟部組織腫瘍などで2016年比の改善が見られた。

 「全国がん登録」は16年に施行された法律に基づき、がんの種類や進行度、治療内容を国が一元管理する仕組み。厚労省は今回の結果を「がん対策推進基本計画」の評価や、地域ごとの医療格差の是正に役立てる方針だ。

編集部おすすめ