◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽ノルディックスキー・ジャンプ 女子個人ラージヒル(15日、プレダッツォ・ジャンプ競技場)

 【バルディフィエメ(イタリア)15日=松末守司】ノルディックスキー・ジャンプの新種目、女子個人ラージヒルで、丸山希(北野建設)は8位にとどまり、個人ノーマルヒルと混合団体の銅に続くメダルはならなかった。伊藤有希(土屋ホーム)は14位、勢藤優花(オカモトグループ)は15位、高梨沙羅(クラレ)は16位だった。

スポーツ報知評論家の1998年長野五輪男子ジャンプ団体金メダリスト・岡部孝信さん(55)=雪印メグミルク・スキー部総監督=は、強く追い風が吹く厳しい条件の中で「わずかなミスが最後まで響いた」と指摘。今大会の女子ジャンプ陣を総括し、今後への展望も語った。

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 強く吹く追い風に、みんなが苦しめられた。非常に条件が厳しい中での戦いとなった。

 丸山選手は内容は決して悪くはなかったが、飛び出しのタイミングが少し遅れていた。彼女のジャンプの特長は、タイミングが合えばしっかり前方向へと飛び出し、立ち上がったらすぐに空中姿勢を完成させられるところだ。大きな重心移動をせずにその形をキープして、距離を伸ばしていける。タイミングの少しの遅れは、向かい風ならまだカバーできる。しかし今回の追い風では、わずかなミスが最後まで響いてしまった。ただ初出場の五輪で個人ノーマルヒルと混合団体で銅メダルを獲得し、自分のジャンプに手応えをつかめたと思う。これから続くW杯でも、また上位で戦っていくはずだ。

 高梨選手は、1回目の追い風が特に過酷だった。

ウィンドファクター(風補正点)が21・4点もついた。本人の技術では、どうにもできない。かわいそうな条件だった。運営の判断なので仕方ないが、ゲートをもうちょっと早く上げて欲しかった。テレマークの精度を上げて、アプローチや空中の姿勢も少し改善していけば、今後まだまだ大ジャンプができる選手だと思う。

 伊藤選手は、公式練習の1回目で全体1位となる飛距離を出すなど調子は良くなってきていた。ただやはり条件が厳しい中で、練習通りのパフォーマンスを出すことはできなかった。勢藤選手は体調不良の影響もあったと思うが、内容的には悪くなかった。

 丸山選手はW杯の調子を維持しながら、しっかり五輪に合わせてきた。高梨選手も調子が上がらない中で混合団体で銅メダルを獲得したが、丸山選手以外は自分が持っている本来の力を今季W杯から出せないまま、五輪本番を迎えたかなという感じはあった。

 女子ジャンプには、若い選手も台頭してきている。ただ、まだ今の五輪代表選手には技術的に劣るところがある。

体力面、技術面ともに、高いレベルで戦う技術をつけていくトレーニングが必要だと思う。一戸くる実(雪印メグミルク)、佐藤柚月(東京美装)らW杯でも活躍している選手だけでなく、ほかの若手選手も(W杯下部の)コンチネンタル杯で経験して、W杯に上がってくることを期待している。

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