セットアッパー候補に挙がる阪神の新外国人ダウリ・モレッタ投手(29)=前パイレーツ=が、沖縄・宜野座キャンプで順調に調整を進めている。最大の武器は予測不能で逆方向にも曲がる“魔球スライダー”。

その正体に、阪神担当の中野雄太記者が「迫った」。

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 「魔球」と称されるモレッタの必殺球は、やはり特殊だった。9日のライブBP(実戦形式の打撃練習)。通常のスライダーは右投手なら一塁側方向に曲がるが、低く沈み込むような動きが多くて空振りも奪っていた。シンカーのように三塁側に変化することもある特異な球種。登板後にスライダーについて聞いてみたが「自分の投球はあまり言いたくない。実際に試合で見て確認してもらえたら」と“企業秘密”だった。

 ならば…とユーチューブなどで昨年までの投球映像を見まくった。すると一般的にスライダーは縦、横、斜めなどの回転軸なのに対し、モレッタのそれはジャイロ回転のような独特な回転であることが分かった。MLB関係者によれば「西武からアストロズに入った今井投手と同じ動きのスライダー」とのこと。ジャイロ成分が多いと空気抵抗が小さくなり、重力に従い打者の手元で落ちたり逆方向に曲がったりするという。

 スライダーの握りから普通は中指でボールにスライド回転をかけるが、モレッタは人さし指を力点にリリースしているように見える。

「それだとジャイロ成分が多くなる」と同関係者。メジャー通算112試合登板で116回2/3を投げ、奪三振率10・65(138個)。昨季50戦連続無失点でNPB新記録を樹立した石井が左アキレス腱(けん)損傷で離脱する中、セットアッパー候補に挙がる新助っ人右腕の期待は高まっている。“ジャイロスライダー”の攻略は容易ではない。(中野 雄太) 

 ◇ジャイロ回転 ライフル弾のように進行方向に回転軸が向いた横回転のこと。

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