◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート ペアフリープログラム(16日、ミラノ・アイススケートアリーナ)

 【ミラノ(イタリア)16日=大谷翔太】世界チャンピオンの三浦璃来、木原龍一(木下グループ)組が、フリーで世界歴代最高の158・13点をマークし、ショートプログラム(SP)5位から大逆転優勝を果たした。フィギュア日本勢の金メダルは、2006年トリノ五輪の荒川静香、2014年ソチ、18年平昌五輪で2連覇の羽生結弦以来。

ペアでの優勝は、日本初の快挙となった。

 金メダルを首にかけた三浦は「本当にたくさんの方々に『龍一くんと巡り会えたのは奇跡なんだよ』と言っていただける。本当に全てのモーメント、全ての人々に感謝している」。木原は三浦に対して「感謝しかない。辞めようと思っていた時に声をかけてくれたので。この出会いがなかったら、またこうして(北京から)2大会五輪に出ることができなかった。もう感謝しかない」と涙を流した。

 「りくりゅう」の出会いは2019年7月。木原と三浦が、お互いに前のペアを解消し、新たなパートナーを探している時だった。2人の共通の友人で、アイスダンス元五輪代表の小松原美里さんから三浦が「龍一くんって、すごくいい人だよ」とアシストを受け、木原に声をかけた。7月末にトライアウトを実施。そこで木原は、衝撃を受ける。

 木原が三浦を真上に投げ、三浦が身体を回転させる技、ツイストリフト。投げた瞬間に、木原は「雷が落ちた」と本能的に感じとった。「ここまで相性が合うんだ」と木原が思えば、三浦も「感じたことのない高さ。『空中時間って、こんなに長いんだ』と」。いまでも「りくりゅう」最大の武器でもあるスピードは「2人とも大好き」。木原は「化学変化、そういったものがカップル競技に存在するんだな、と三浦さんと滑ってみて思いました」と、今に繋がる原点を語っていた。

 プライベートでは粒あん派かこしあん派か、コーヒーに砂糖を入れるか入れないかで意見は分かれるが、氷に乗れば「120%、信頼しています」。息抜きのゲームは、9歳上の木原が基本は負け役。大会期間中、任天堂のSwitch2で「マリオカート」をすれば、勝たせて三浦の気持ちを盛り上げる。ミラノ入り後は人気ゲーム「桃太郎電鉄」にいそしみ、木原が妨害キャラなどで有利に立とうものなら“強制終了”。三浦が無敗を保っていた。

 「りくりゅう」結成から7年。

木原は以前「この種目が広がるためには、ペアというカテゴリーがあることをもっともっと沢山の人に知ってもらわないといけない。そのためには、僕たちが結果を出し続けることが一番の近道。僕たちが頑張ることが、日本のペアの将来につながる」と語っていた。五輪初入賞からGPファイナル、四大陸選手権、世界選手権と次々に頂点を取ってきた。2度目の五輪で五輪の金メダリストになった。

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