東京映画記者会(スポーツ報知など在京スポーツ紙7社で構成)が選ぶ「第68回(2025年度)ブルーリボン賞」の授賞式が17日、都内で行われた。

 「宝島」(大友啓史監督)で第53回(2010年度)以来15年ぶり2度目の主演男優賞に輝いた妻夫木聡はシックなダブルのスーツ姿で登壇した。

 原作は2019年の直木賞に選ばれた真藤順丈氏による同名小説。妻夫木は実在した窃盗団「戦果アギヤー」の一員で、後に刑事になる主人公・グスクを演じた。

 妻夫木は「悪人」以来の主演男優賞に「いつになっても賞をいただけるのは光栄。今回は一番、感謝の思いが強い。(『国宝』の)吉沢亮君がこの場に立っていると思ったが、映画が奇跡を起こす瞬間を目の当たりにしたいと皆さんが信じてくれた。その答えがこの賞だった」としみじみ。「スタッフの皆さんや沖縄の方々と、作品賞の一つをもらったような思い」と感謝した。

 コロナ禍もあって撮影が2度延期となったことに触れ「映画界ではなかなかないこと。お金もかかる映画だったので心配だったが、熱い思いに支えられて最後まで走りきることができた。沖縄の方も一人一人諦めなかった。生きている方だけでなく、先人の方々の思いが底上げしてくれた」と撮影時を振り返った。

 昨年放送されたNHK朝ドラ「あんぱん」の撮影中も、映画の宣伝アンバサダーとして全国を巡った。

「映画が映画である意味って何だろうと思った。できあがった『宝島』を見終わった時、映画が持っているエンディングが全てではないと思った。僕たちが平和な未来を作っていくことが何よりのハッピーエンド。映画の枠を超えた世界だと感じた。それが少しでも伝わるのであれば届けたいし、映画の奇跡を信じたいと思った」とかみ締めた。

 ◆妻夫木 聡(つまぶき・さとし)1980年12月13日、福岡県生まれ。45歳。97年の「ザ・スタアオーディション」でグランプリを獲得し、芸能界入り。2001年、初主演映画「ウォーターボーイズ」でブレイク。「ジョゼと虎と魚たち」など3本で04年の報知映画賞主演男優賞を受賞。09年、NHK大河ドラマ「天地人」に直江兼続役で主演。10年「悪人」と22年「ある男」で日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞、16年「怒り」で同・最優秀助演男優賞を受賞。

身長171センチ、血液型O。

 ◆宝島 審査委員から満場一致で直木賞に選出された小説で、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞も受賞。米軍からさまざまな物資を略奪する「戦果アギヤー」の英雄・オンちゃん(永山瑛太)が、嘉手納基地襲撃に失敗し行方不明に。残された親友グスク(妻夫木)、オンちゃんの弟・レイ(窪田正孝)、恋人・ヤマコ(広瀬)の3人は、それぞれの道を歩みつつ、失踪の謎を追う。

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