◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽ノルディックスキー・複合 (17日、イタリア・テーゼロ距離競技場)

 【バルディフィエメ(イタリア)17日=松末守司】個人ラージヒルの後半距離(10キロ)が行われ、トップから1分50秒差の19位から出た3大会連続メダルのベテラン渡部暁斗(北野建設)は、19位で五輪の個人戦ラストランを終えた。

 スタート前からメダル圏内は難しい位置。

「最後まで走りきろう」と心に決めて挑んだレースだったが、序盤から流れをつくれず順位を上げることはできなかった。最後は一礼してゴール。静かな個人最終戦だった。「ありがとうございましたという感じですね。レースとしては意外とあっさり終わっちゃうんだなという感じ。メダルがないっていう時点で何のために走っているんだろうってところはあって。でも諦めずにゴールする姿っていうのは、日本から応援しにきてくれる人もいますので」と折れそうな心を何度も奮い立たせてゴールに飛び込んだ。

 昨年10月に今季限りでの現役引退を表明し、今大会の初戦だった個人ノーマルヒルは11位にとどまった。調子が上がらず、3大会連続メダルの第一人者が苦しんだ。「北京(五輪)からの4年間、表彰台から離れてからだいぶ時間も経っていますし、正直自分の存在意義というか、何のためにスキーやっているんだろうっていうのはずっとあって。最後もそういう気持ちを持ちながらゴールするっていうのは、何だったんだろうなって思うんですけど。でも、最後まで散っていく自分の姿を自分で見届ける、向き合い続けるみたいなことは、そのためにやってきていたのかなっていうのは、最後、思いました」と淡々とふり返った。

 19日の団体スプリントが同競技の最終種目。メンバーはまだ発表されていないものの、おそらくそこが五輪での最後のレースになる見込みだ。「出られたら全力で戦いますし、選ばれなくてもしっかりサポートに回ってチームに貢献したい」と前を向いた。

 前半飛躍でトップだった山本涼太(長野日野自動車)は15位、谷地宙(JAL)は21位だった。

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