◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(17日)

 女子団体追い抜きで、日本が3大会連続の表彰台となる銅メダルを獲得した。高木美帆(TOKIOインカラミ)、野明花菜(立大)、佐藤綾乃(ANA)で臨んだ3位決定戦では米国を2分58秒50で下した。

準決勝ではオランダに惜敗し、2大会ぶりの金メダルには届かなかった。カナダが2連覇。

 大一番で五輪デビューを果たした野明は幼少期から、五輪選手で元1500メートル世界記録保持者の父・弘幸さん(51)と母・三枝さん(旧姓・上原、54)の影響で競技を始めた。物心ついた頃からスケート靴を履いていた。弘幸さんは「夏は水泳をやったり体操にいったりして、冬はスケートをやっていた。その中から本人がスケートを選んだ。やるなら頑張ってほしい」と娘が決めた道を応援した。

 昨季のW杯第2戦(中国)で左足首を骨折。松葉づえをつきながら帰国した。コーチを務める父だが、特別な言葉はかけなかったという。「ことの重大さは自分が十分わかっている。自分で克服するしかない」とそっと見守り続けた。

競技復帰後はメンタル面が強くなったといい、消化不良だった昨季の思いから、今季にかける思いは強くなったと話した。

 昨夏から定期的に「チーム・ゴールド」の練習に参加した。高木を筆頭に日本のトップの選手がそろい、葛藤もあったと弘幸さんの目には映った。だが、父に何かを相談するわけではなく、自身で乗り越え銅メダルをつかんだ。

 性格は「負けず嫌い」と弘幸さん。昨季の大けがの際も2か月ほどでリンクに戻った。父には頑張る姿は見せていなかったが、シーズン終盤の3月の大会に間に合わせようと懸命なリハビリを重ねた。一時は現役引退も考えていたが、メダリストとなって恩返しを果たした。

 両親がオリンピアンだったことで「五輪」という言葉が嫌いになったこともある。だが、メダルを首からかけ「今まで支えてくださった方、家族への感謝をすごく感じる。両親に最高の形で恩返しできた」と満面の笑みを見せた。「野に咲く強い花になってほしい」と名付けられた長女が野明家に待望のメダルをもたらした。

(富張 萌黄)

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