ミラノ・コルティナ五輪でフィギュアスケート女子・坂本花織(シスメックス)が、2022年北京大会の銅メダルに続き、2大会連続表彰台となる銀メダルを獲得した。坂本が0歳の頃から通う兵庫・神戸市の写真館「フォトスタジオ八木」の八木善生代表取締役(76)が20日、スポーツ報知の取材に応じた。

 神戸駅から徒歩5分。地元住民から「楠公さん」と呼ばれる湊川神社のすぐ近くにある同館の窓には、坂本の巨大タペストリーが飾られている。初めて坂本が訪れたのはお宮参りの時。七五三でも訪ね「3歳当時は人見知りがすごくて、男性カメラマンでは写せそうになく、女性スタッフがシャッターを押しました」。明るい人柄の坂本にも恥ずかしがり屋な時期があったようだ。

 初出場となった平昌五輪前には祖父母と訪問。「現地へ観戦に行けなかったおじいさんとおばあさんと撮られて優しい子だと思いました。オリンピックでも着た衣装を持ってきてくれて、まわりにつるして撮りました」。成人式はコロナ禍で式典が中止になり、友達一家と写真を撮った。「そのまま湊川神社に行かれましたが、記念撮影をする時にマスクを撮ったら、周りの人が『坂本選手だ!』って気付いたようで。長時間のすごい撮影会になったって聞きました。地元ではスターですから」と明かした。

 2022年5月はうれしい撮影会になった。北京五輪の銅メダルと世界選手権の金メダルを持ち込んだ。「『取れました!』って来てくれて、本当にうれしかったですね」と感慨深げだ。その時、八木さんはとある提案を坂本にしたという。「アスリートならではだと思いますが、筋肉がしっかりついているから、スラックスの太もも部分がパンパン。普段『あごのライン整えましょうか?』って他のお客さまに聞いているように『少し細くしようか?』って聞いたら『細くしなくていいです』って拒否されました。筋力を強くすることによって技の1つ1つを強化されている時期だったようで、アスリートの勲章だったんでしょうね」と語った。

 最後に訪れたのは、昨年11月。坂本のめいっ子、おいっ子たちの七五三の撮影会だった。小さな子どもを含む6~7人で参加。「坂本さんは家族をすごく大事にされている。その時は赤ちゃんを抱っこされて、ええ顔してましたよ。

大きな口を開けて、あやしていました。3歳くらいの子が2~3人いると動き回って大変なんですけど、うまい言葉をかけてくれるから、全員がカメラ目線の写真が撮れました」と、面倒見の良さに感心していた。

 人生の節目を見守り続けた八木さんはこの日、坂本のラスト五輪が気になって朝3時半に目覚めたという。第1グループから見守り、いざ、坂本の演技が始まっても「ジャンプをしそうになると顔を下に向けて、拍手喝采で状況を把握していました。見ていられなかったです」とドキドキだったという。北京の3位を上回る2位に輝いた坂本に「私には金に見えます!」とねぎらった。堂々とした凱旋(がいせん)にも期待を寄せ「今回のメダル2つをかけた写真を撮りたいですね。いつかは坂本さんの赤ちゃんのお宮参りの写真も撮りたいです」と夢に描いた。

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