女優・竹内夢(26)が、8月8日に開幕するミュージカル「ゴースト」(浦井健治主演)のヒロイン役に抜てきされたことが20日、発表された。俳優・舘ひろし(75)率いる舘プロ所属で、NHK Eテレの番組「おとうさんといっしょ」(月曜・後4時30分)に「うたのおねえさん」として出演中の実力派。

このほどスポーツ報知の単独インタビューに応じ、諦めなかった大型ミュージカル出演に「今までの人生をかけて作品を届ける」と、全力を注ぐ覚悟を示した。(堀北 禎仁)

 夢をかなえる知らせに、竹内から言葉が泉のようにあふれ出た。「ゴースト」のオーディション合格の一報が入ったのは、昨年8月にさいたまスーパーアリーナで行われた「おかあさんといっしょ スペシャルステージ2025」のゲネプロに臨む20分前。「ビックリして立ち上がった。いったん楽屋の前の廊下をダッシュで1往復して『あ、決まった!』と思って楽屋に戻ったことを鮮明に覚えています」

 念願だった東宝作品。オーディションは初挑戦だった。「合否どっちでも後悔はないぐらい、結果を受け止められる器ができあがっていた。報われたような感じがした。グランドミュージカルに出たいということを周囲にずっと話していて、いろんな人の顔が走馬灯のように浮かんだ。今までの自分より、もう一つ大きな覚悟を背負うことになった」と、真剣な表情を崩さなかった。

 小さい頃から歌うことが好きだった。ミュージカルとの出会いは小学6年の学芸会で主演を務めたこと。

中学3年で「美少女戦士セーラームーン」のオーディションを受けた。「言葉を使って人様に心を届ける面白みを見つけた。セリフと同様に、感情を音楽に乗せて振り幅を広く表現することで伝わることが多い」。

 東宝のミュージカル「レ・ミゼラブル」や「手紙」と出会ったのもその頃だ。「本当に素敵で、こんなに泣けるものかと。音に乗せて喜怒哀楽が倍増して受け止められることの面白み。そこからどんどん沼にハマっていった」

 16歳で上京。「おとうさんといっしょ」で「うたのおねえさん」になってからも、ミュージカルへの野望を抱き続けた。コロナ禍では舞台出演が全てなくなり落ち込んだことも。「本当に縁がない世界だったんだと諦めたこともあったけど、舞台で歌うと『どうしてもこれがやりたい』と思っちゃう」。家族の後押しもあり、気持ちを切らさなかった。

 日常生活でも「自分がしんどい時に救われるのはミュージカルだった。

『RENT』や『キンキー・ブーツ』を見ている時間はストレスを全て忘れて、演者と一体になって楽しめる。見ている一瞬がすごく貴重でかけがえのない時間」と目を輝かせた。

 ヒロインを務める「ゴースト」の原作は、1990年に世界で大ヒットした同名映画。映画版でデミ・ムーアが演じた陶芸家のモリー・ジェンセン役と、夢を追って北海道をあとにした自身を重ね合わせた。「行動力はある。これだ、と思ったことにいつも正直に生きてきた。歌はきっと人の人生を救えると信じて続けてきた頑固さは、私の芯の強い部分かな」

 母の趣味という陶芸は「3~4回やったことがある」。作品ではろくろを回すシーンが有名だが「舞台上でやるのは使う神経が違う」とイメージを膨らませている。

 劇中に2曲あるソロ曲では、各5分ほどの長尺を1人で歌い上げる。曲の表現力を高めるために発声練習を毎日繰り返し、滑舌と表情筋を鍛えている。

 「毎日やらないと、できなかった時に『あの日サボったからだ』と思いたくない。小さく見える一歩だけどきっと大きな一歩になる。

自分ができないことができてきた。知らないことを知れるのが楽しい。これからの人生で大事なことになると思うから、自分なりに表現できたら」

 半年後の本番に向けて、浦井健治や森公美子ら実力派のキャストに負けないように「身を粉にして毎日、己と向き合ってます」。ダブルキャストを務める元宝塚歌劇トップ娘役・星風まどかについては「とてつもないキャリア」と尊敬しつつ、「自分を信じたからこそこの場所に立てるという、エネルギーの爆発力は伝わると思う」と自信を抱く。

 「より素敵なモリーを演じられるように、私が入ったことで作品の良さを出していけたら。ここにかける思いは誰よりも強いと自負している。その覚悟を受け取ってもらいたい」

 最近は韓国のミュージカルも貪欲に吸収。「『ゴースト』が終わった頃には『ソニンさんみたいになりたい』って胸を張って言えたらいいな」と照れた。

 大人のラブロマンスを演じることになる竹内も、20代後半に差しかかった。理想の男性像に「精神的に安定している人がいい。礼儀正しくて穏やかな人が好きです。いつか結婚したいし子供も欲しい」と笑った。

 「おとうさんといっしょ」の出演は、4月で9年目に入る。「好きだから続けられた。親御さんの笑顔や人様の希望になれる番組」。姉の子供がもうすぐ2歳になるといい、「私がうたのおねえさんでいることを認識するまでやめられない」と気合を入れた。

 昨年3月の本紙インタビューで「東宝作品のミュージカルに出たい」と宣言していた夢が、正夢になった。2026年は勝負の年だが「いい意味での焦りを感じています」と、プレッシャーにも前向きだ。「2年連続で大吉引いたので大丈夫です!」大きな瞳の見据える先に、憧れ続けた舞台が待っている。

 ◆竹内 夢(たけうち・ゆめ)1999年10月15日、北海道・札幌市生まれ。26歳。16年に上京し、「美少女戦士セーラームーン」などの舞台に出演。18年からNHK Eテレ「おとうさんといっしょ」にレギュラー出演。21年から本格的な音楽活動を開始。

趣味は番組でも披露するギター。身長157センチ。

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