宝塚歌劇花組公演グランド・ラメント「蒼月抄(そうげつしょう)―平家終焉の契り―」、スパイシー・ショー「EL DESEO(エル・デセーオ)」が、兵庫・宝塚市の宝塚大劇場で3月29日まで上演されている。

 平安時代末期。

平家最後の総大将・平知盛を主人公に、父の影を背負い、誓いと喪失の果てにたどり着いた姿を、蒼月に刻まれた命の抄として描きだす。トップスターの永久輝(とわき)せあは日本物も約2年ぶり。平安時代はほぼ初めてということもあり「日本物の所作って、ひとつひとつ型や、意味合いがすごく深い」と、所作の意味を理解しながら、美しい型で知盛を魅力的に演じている。

 もう少し、最後にたっぷり時間をかけて描かれても良かったのではと惜しく思うほど、平家が壇ノ浦で散りゆくさまを美しく、はかなく演じる永久輝。知盛像についても「とても知的で心も優しく、夢をしっかり心に持っている魅力的な人物」と評する。自身もトップスターとして組を率いている立場だけに「(平家の)総大将ということで、そこにかける愛情や、自分の心にある“こうでありたい”という願いは、すごく通ずるものがあるんじゃないかな」と共通点を見いだした。

 花組に組替えしてきた極美慎(きわみ・しん)も、平教経として存在感を発揮。新しい風を吹かせる極美について永久輝も「心強く感じていますね。お互い刺激し合いながら、新しい組の形を作っていきたい」と頼もしく感じている。

 ショーではエネルギッシュなダンスを披露する。「『エル・デセーオ』はラテン語で欲望という意味。全体的に血の濃さを感じるような、エネルギーがみなぎっています」とほほ笑んだ。

中詰ではメキシコの死者の祭りをモチーフにした色鮮やかなダンス。さらに客席おりもあり、華やかさを加えている。客席に迫ってくるような迫力満点のショーからは一時も目が離せない。(ペン&カメラ・古田 尚)

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