◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 早実サッカー部が25年度の全国高校選手権に出場した。かつて所属した硬式野球部に続き、新人時代から2度目となる母校の取材。

開幕戦で徳島市立に1―4で敗れたが、試合終了間際の1ゴールには胸を打たれた。国立で流れる「紺碧の空」から「VIVA WASEDA」の応援歌の流れも完璧。森泉武信監督(54)は「最後まで1点を取りにいく姿勢を見せてくれた」と選手をたたえていた。

 在学中、サッカー部のことはほぼ知らなかった。本音を言えば、全国大会に出場できるとは思っていなかった。選手権の出場校には100人超えの部員数を誇る学校が多くそろう中、早実は64人でこの大会で2番目に少ない。スポーツ推薦で入部する選手も各学年わずか。指揮官は「選手の足し算では勝負にならない」と苦しい台所事情を明かす。

 グラウンドもラグビー部などと分け合い、他校と比べて環境面は質、量ともに見劣りする。地道に努力を積み上げ、「夢」だった全国の舞台が、いつしか「目標」に変わった。新たな歴史を切り開いた3年間を終えて、主将のMF野川一聡は「早実で本物になれれば、どこでも通用する」と胸を張った。

 早実には「華やかなものを去り、実に就く」ことを説く「去華就実」という校是がある。

開幕戦の最後の得点は、まさにその精神を体現する象徴的なシーンだった。4月には私も記者3年目となる。国立で躍動する後輩の姿を見て、あらためて原点を思い返した。(サッカー担当・浅岡 諒祐)

 ◆浅岡 諒祐(あさおか・りょうすけ)24年入社。ラグビー部も全国に出場で誇らしいが、肝心の野球部は秋の都大会1回戦負けでがっくり…。

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