◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート エキシビション(21日、ミラノ・アイススケートアリーナ)

 フィギュアスケートのフィナーレを飾るエキシビションが行われ、男子で初五輪を8位で終えたイリア・マリン(米国)が失意のフリーから9日ぶりにファンの前で演技した。「FEAR」を演じ「このプログラムや曲は、自分の心に響くもので、この五輪に向けた1年、自分が感じてきたことをそのまま表している」と思いを込めた。

 世界王者、そして五輪の優勝最有力候補として臨んだ20歳の「4回転の神」。マリニンは「大きな重圧や疑念があり、周りの雑音やメディア、人々、全てが自分にとって手に負えないものでした」と吐露した。初の大舞台を前に「五輪に出場して、素晴らしい結果を残さないといけないプレッシャーがあった」と、率直に明かした。

 マリニンは7日の団体SPから出場し、米国の2連覇に貢献。個人はSPこそ1位通過したが、フリーでジャンプのミスが続き、まさかの8位に終わった。試合後は、自身のSNSで誹謗中傷被害にあっていることも示唆。この日、報道陣の前で「自分たちは人間であるということを世の中に伝えたい。リアルな考えや、感情を持っている。例え、超人的な能力を持っているロボットのように見えても。でも心の奥底では、みなさんと同じ」と、真剣な表情で訴えた。

 エキシビションでは、4回転トウループを決めるなど持ち前の能力をファンの前で改めて発揮。演技直後は数秒間上をみつめ、万感の氷上を浮かべて両手で顔を覆った。

次の4年間への思いを問われると「今回の五輪からたくさんのことを学んだ。一度五輪を経験したことで自分の中に落とし込み、次に向かってどう向きあうべきかを理解するための知識になる」とマリニン。「これから4年間でどう変えられるかを考え、より良い戦略を立ててここに戻ってきて、やるべきことをやりたい」と、2030年五輪でのカムバックを誓った。

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