吉本興業が世界最大級のエンターテインメント企業「バニジェイ・エンターテインメント」(本社フランス・パリ)と戦略的パートナーシップを締結したことが24日、分かった。同社との提携により、日本テレビ系列で1989年から放送されている番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の人気シリーズ「絶対に笑ってはいけない」(英題・YOU LAUGH YOU LOSE)のフォーマット(番組構成の権利)販売を本格的に進める。

 バニジェイ社が持つ米国、英国、オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパなど世界25の国と地域、約130の制作会社から構成されるネットワークを通じ、同企画の現地版が制作・展開する方針。ダウンタウンが原作となる「絶対に笑ってはいけない」作品が世界各国へと拡大する。

 契約内容にある「フォーマット販売」は、主にテレビ番組などのエンターテインメント業界での取引方法で、完成した映像作品を売るのではなく、番組の「企画」「コンセプト」「構成」「演出のノウハウ」といった「枠組み(フォーマット)」の権利を販売する。

 「バイブル」と呼ばれる詳細な仕様書も提供され、〈1〉番組の基本コンセプトとルール〈2〉舞台やセットのデザイン〈3〉進行方法や演出の具体的なノウハウ〈4〉音楽や照明のタイミング―などが提供される。各国のテレビ局は「絶対に笑ってはいけない」が持つコンセプトを基本とし、現地の人気タレントを起用し、その土地の文化や習慣に合わせてコントの内容を調整できる。そのため、海外の視聴者にも親近感を持ってもらうことができるメリットがある。また、模倣を防ぎ、吉本側は契約に基づくライセンス料を得ることもできる。

 「絶対に笑ってはいけない」は、2006年から15年間、日本テレビの大みそか特別番組として放送され、現在も多くのファンを抱える日本屈指のバラエティ企画。同番組の企画構成を担当するダウンタウンの松本人志(62)氏が手がけた「ドキュメンタル」も「LOL Last One Laughing」として、英国やフランスなど25以上の国と地域でローカル版が制作され、バニジェイ社はそのうち11バージョンの制作を担当。松本が企画した「FREEZE」もポルトガルで制作・放送された実績がある。吉本興業は今後、「絶対に笑ってはいけない」を「日本発の国際的なエンターテインメントIP(知的財産)として確立することを目指す」としている。

 ◆吉本興業副社長・藤原寛氏の談話

 「この度、世界最大級の制作ネットワークを誇るバニジェイ・エンターテインメント様と共に、『絶対に笑ってはいけない』の海外展開を進められることになり、大変光栄に思っています。

日本で最も人気のあるバラエティ番組の一つと自負しており、世界中でこの番組を楽しんでいただけることに期待しています」

 ◆バニジェイ・チーフコンテンツオフィサー開発責任者・ジェームス・タウンリー氏の談話

 「『絶対に笑ってはいけない』は、日本で長年愛され、国民的ヒットともいえるコメディの定番です。遊び心があり、予測不能で、国際展開の可能性にあふれています。24時間という設定が、時間とともに高まっていく『笑ってはいけない』緊張感を生み出し、笑った瞬間に科される罰ゲームがフォーマットの面白さをいっそう引き立てています。ローカライズの自由度も非常に高く、当社のポートフォリオを補完する存在として、各レーベルやクライアントが地域ならではの個性を生かした『市場を代表する』ヒット作を生み出すチャンスになるでしょう」

 ◆世界最大のエンターテインメント集団「バニジェイ」とは?

 フランス・パリに本拠を置くバニジェイは、テレビ番組や配信コンテンツの制作・配給において世界最大級の規模を誇る独立系クリエイティブ集団。2008年の設立以来、急速に規模を拡大し、現在では世界25の国と地域に130社を超える制作会社を傘下に収める。「世界中の面白い番組を生み出し、各地へ届ける巨大なネットワーク」と言われる。

 ▼制作時間 年間平均で約1万6000時間ものコンテンツを世界中に供給。

 ▼ライブイベント 年3000件以上のイベントを運営。

 ▼2025年実績 新作のバラエティを250本以上、ドラマ作品を100本以上を制作。

 ▼大規模イベント 五輪開閉会式の演出など国家規模のイベントも担当。

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