将棋の第53期女流名人戦予選決勝が25日、東京・渋谷区の将棋会館で行われた。後手の香川愛生女流四段が中七海女流三段に128手で勝利し、3期ぶりのリーグ入りを決めた。

 対局を終え「厳しい戦いになるだろうなと1か月くらい思って過ごしていたので、今は中さんに勝ってリーグ入りすることができたのがとにかくうれしい気持ちでいっぱい。しばらくは余韻に浸りたい」と笑顔。本局を「対戦して改めて強さが伝わってきて、最後まで自信は持てなかったけど、すごくうれしい結果になって幸せな気持ちです」と振り返った。

 予選では4つのトーナメントが行われ、それぞれの優勝者がリーグ入りする。対戦カードが出たときの率直な感想を「中七海さんがいらっしゃるのを見て、この山の勝ち抜き候補の1番有力な方だと思っているだろうな」と実感。一方で「もし対戦したら勝って皆さんをびっくりさせられたらいいなということを夢見ながら過ごしてはいた。準決勝あたりから中さんの棋譜は見たりしていて、あたりたいなと思っていた」と準備は万端だった。準決勝では奨励会との二刀流をする中学生・岩崎夏子女流1級とも対戦し「対戦経験の少ない方が後半続いたので、そういう意味ではけっこう新鮮な気持ちで臨めました」と充実感を漂わせた。

 22日に閉幕したミラノ・コルティナ五輪は、母の影響でフィギュアスケート男子シングルを観賞していたという香川。同じ勝負師として「緻密(ちみつ)な競技で、選手の皆さんの技術とか美しさに感動したし、失敗してしまった時の厳しい表情とかもすごい高いところでご活躍されている方々ですけど、ちょっと共感した。オリンピックも色々な勝負の1コマっていうのが、見ながら気持ちが高まるようなところもあったかなと思います」と共鳴したという。特に印象に残ったのは銀メダルを獲得した鍵山優真が銅メダルの佐藤駿に寄り添った瞬間だったといい「紳士的なステキな競技だなっていう印象を持ちました」と明かした。

 4月には女流名人リーグが始まる。「今でこそ女流順位戦ができているけど、昔は女流名人リーグを通して1年間、自分の一つの軸のようにして考えた時期もあった。対局は増えるけど、その頃の感覚も思い出しながら1局1局大事にできたら」と意気込んだ。

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