ミラノ冬季五輪が閉幕した。日本代表は、冬季大会としては歴代最多となる24個のメダルを獲得。

連日熱戦が繰り広げられたが、その中で記者は「そういえば、8年前の平昌(ピョンチャン)の時は、『冬ソナ』のコラムを書いたな…」と競技とは全く違うことを思い出していた。

 それはもちろん、3月6日に「映画 冬のソナタ 日本特別版」が公開されるから。ペ・ヨンジュン、チェ・ジウの共演で大ヒットした韓国ドラマを再編集した同作は、地元以上に作品を愛した日本人ファンのためにユン・ソクホ監督、制作会社のPAN ENTERTAINMENTが、物語の核である純愛シーンを抽出して作られた。

 1話約1時間、全20話の連続ドラマを2時間強の尺に収めていることから、どうしても”ひずみ”が出てしまうのは仕方のないところ。チュンサン(ペ・ヨンジュン)、ユジン(チェ・ジウ)の高校の同級生であるヨングクが、セリフが一つも無いのに2人と同じフレームに入っているのをドラマを知らない人が見れば、「これ誰だよ!」と思うかもしれないが、そのあたりはご愛嬌(あいきょう)だろう。

 記者としては、ドラマ全編を凝縮している中で序盤の高校時代を丁寧に描いている点に好感を持った。連ドラでは第4話の途中で高校時代から現在に舞台が移るのだが、映画では開始から30分ほどが経過してから、ようやく10年前に死んだはずのチュンサンがユジンの前に現れる。全体の割合から考えると、10年前の物語を「手厚く」しているのだ。

 この高校時代は、転校してきたチュンサンがユジンと出会い、共にひかれていく重要なパート。遅刻した2人が学校の塀を乗り越えたり、デートで自転車の2人乗りをしたり、公園のベンチで初めてのキスをしたりと、印象的なシーンも多い。記者が勝手に1980年代に一世を風靡(ふうび)した大映ドラマの「三大要素」としている、「難病」「記憶喪失」「実は肉親」が怒とうのように押し寄せる後半を”控えめ”にしたのは、「純愛物語」とする意味では正解だろう。

 ところで、なぜ「冬ソナ」と平昌五輪が関係しているのか。

その答えは、アルペンスキー回転・大回転の会場だった龍平(ヨンピョン)リゾートが、チュンサンとユジンが物語の前半で一緒に仕事をする場所のロケ地として使用されていたところにある。

 競技開催時、同地の強風や雪不足が運営に影響を与えたのだが、ドラマでは強風のためにロープウェーが運休し、2人が山頂の山小屋に取り残されてしまう場面が描かれた。それを「五輪開催の10年以上前から、会場周辺には課題があったことが分かっていたのでは?」と取り上げたのだった。今回の映画では、ロープウェーが止まるシーンは省かれているが、2人が山小屋で語るところはしっかり収められています。(高柳 哲人)

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