乃木坂46のキャプテン・梅澤美波が25日、自身の公式ブログで41枚目シングルの活動をもって卒業することを明かした。5月21日には東京ドームで卒業コンサートを開催することも発表。

23年から3代目キャプテンを務めるなど約9年半にわたってグループを支えた功労者が、アイドル人生に区切りを付ける。

 梅澤が乃木坂46に加入するきっかけは、当時エースとして活躍していた白石麻衣だった。モデル雑誌で初めて目にし、その美貌(びぼう)に一目ぼれ。白石に強い憧れを持つようになったと同時に、乃木坂46への愛も大きくなっていった。

 オーディションの面接では、その愛を涙ながらに訴えかけて合格。3期生として加入し、山下美月(24年卒業)、与田祐希久保史緒里(ともに25年に卒業)らと早くから中心メンバーとして頭角を示した。

 身長はグループの中で最も高い170センチ。白石を彷彿(ほうふつ)とさせるスラッとしたスタイルやロングヘアは、モデルとしても重宝された。

 そんな容姿端麗である上に、真面目で謙虚でしっかり者。メンバーはもちろん、スタッフからも愛され、梅澤と関わったことがある人は「本当に良い人なんです」と口をそろえる。まさに非の打ちどころがなく、誰からも慕われる「ザ・キャプテン」だった。

 記者が初めて直接取材したのは、24年3月のバースデーライブ1週間前。

実は、ほぼ初めてのインタビューだった。バースデーライブと同じ日程で4日間の連載企画を行うことになり、文字数にして4000字以上。与えられた取材時間も30分しかなく、当時23歳だった新人記者の私にとっては、あまりにも荷が重すぎる仕事だった。

 不安でいっぱいの中、次々と質問をぶつけると、驚くほど詰まることなくスラスラと答えを返してくれた。後に他の方を取材させてもらううちに気づくのだが、梅澤のコメント力はずば抜けていた。

 さらに、“記者あるある”で記事を書く時に間違った意味に捉えられないよう、話し言葉を書き言葉に変換しないといけないことがよくあるのだが、梅澤にはそれが一つもない。私は彼女のおかげで奇跡的に企画を完遂させることができ、そのときから勝手に「恩人」と呼ばせてもらっている。

 その取材で印象に残っているのは、全メンバーに対する思いとして「グループの仕事に熱量を注げる人であってほしい」と口にしたこと。モデル業や女優業など個人の仕事が増えるメンバーもいる中で、乃木坂46には「バースデーライブ」や明治神宮球場でのライブなど恒例行事がいくつかある。それらができることを「当たり前じゃない」と言い切り、キャプテンとしてグループのことを一番に考えていることがにじみ出た瞬間だったように感じた。

 その約1年後、梅澤をよく知る関係者から「多分、彼女はもっと個人の仕事のオファーが来ているはずなんです。だけど、キャプテンとしてグループの仕事を抜けることはできないから、いくつか断っていると思います」と聞かされた。

20代後半で卒業することが多い女性アイドルにとって、個人の仕事はその後のキャリアにつながる大事なもの。それにも関わらず、梅澤は「グループの仕事に熱量を注げる人」を体現し続けた。

 そんな模範的な存在が、乃木坂46を去る。まだ、卒業コンサートなどアイドルとしての仕事は残っているが、ここでひとまず恩人・梅澤さんに「卒業おめでとうございます。本当にお疲れさまでした」と伝えたい。(乃木坂46担当・松下 大樹)

 ◆梅澤 美波(うめざわ・みなみ)1999年1月6日、神奈川県出身。27歳。2016年9月に、乃木坂46の3期生として加入。19年、女性ファッション誌「with」専属モデルに。21年11月、副キャプテンに就任。23年2月、3代目キャプテンに就任。身長170センチ。

血液型A。愛称・梅ちゃん。

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