大相撲春場所(3月8日初日・エディオンアリーナ大阪)の新弟子検査が28日、大阪市内で行われた。受検した20人全員が体格基準(身長167センチ以上、体重67キロ以上)を満たした。

内臓検査の結果を待ち、初日に合格者が発表される。

 木瀬部屋に入門する中沢睦士(埼玉栄高3年)は幕内格行司の木村秋治郎(あきじろう)=春日野=の長男。「いつかは父が行司を務める土俵で相撲を取りたい。きっと親孝行になる」と意気込んだ。日本相撲協会によると親族の取組で行司を務めてはいけない規定はない。かつては1957年5月場所で新入幕だった元関脇・房錦が父である行司・式守錦太夫の軍配で相撲を取ったことが話題になり、58年に「土俵物語」として映画化。実現すれば感動の物語の第2章となる。

 父はもともと力士志望だった。「当時は新弟子検査の基準が厳しくて、ギリギリ身長が足りなかったらしい。師匠の勧めで行司になったと聞いていた」と明かした。父が突破できなかった体格基準を乗り越え「前相撲から頑張っていきたい」。父のいる春日野部屋はなく、木瀬部屋を選んだのは「木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)に熱心に誘ってもらった。

俺が一から教えれば絶対に強い関取になれると言われたから」と明かした。

 名門・埼玉栄高では昨年の全国高校総体の団体戦で3位のメンバーだった。得意は押しで、憧れは同校OBの元大関・貴景勝(現・湊川親方)、幕内・藤ノ川(伊勢ノ海)だという。「早く幕内の舞台に立ちたい」。令和の「土俵物語」再現へ、戦いの幕が上がる。

 ◇中沢 睦士(なかざわ・むさし)2007年9月13日、東京・墨田区出身。幼稚園年長で相撲を始め、都内の名門・小松竜道場を経て埼玉栄高。家族は両親と姉。

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