調教師に転身する藤岡佑介騎手(39)=栗東・フリー=が28日、騎手としてのラストデーを迎えた。この日は阪神で7鞍に騎乗し、最終レース後に引退式。

多くの仲間、ファンに温かく見守られ、22年間の騎手生活を終えた。

 戦友だった弟・康太さんが、24年4月に落馬事故により逝去。無事に引退しなければ―。自然とその思いが強くなった。「藤岡家の長男として務めだと思っていました」。父の健一調教師も「調教師としてでなく、親としてほっとしています」と胸をなでおろした。

 10Rは父の管理馬タマモイカロスで勝利。JRA通算1110勝目の最後の勝ち星は父子タッグでつかんだ。「勝ったジョッキーの景色を見られて、いい思い出です」。一番にゴールを駆け抜ける瞬間をかみしめた。

 「どんなに嫌なこと、つらいことがあっても、レースで勝ってたくさんの仲間やお客様から『おめでとう』『ありがとう』って言ってもらえるだけで、全部忘れて最高にハッピーな気持ちになれるジョッキーという仕事が大好きでした。また生まれ変わっても(康太さんと)一緒にジョッキーになりたいと思います」。

騎手への愛はあふれて止まらない。だからこそ、応援される騎手を育てることが、これからの目標の一つだ。「どんなチームを作れるか、自分に何ができるか、すごく楽しみです」。すがすがしい気持ちでムチを置き、新たなステージへ踏み出す。(水納 愛美)

 ○…藤岡の引退式にはデビュー時の師匠である作田誠二元調教師も駆けつけた。06年の東海Sではハードクリスタルで師弟V。花束贈呈では熱い抱擁をかわし、「ここまで頑張って成績を残せて、本当にご苦労さまだったと褒めてあげたいです」とねぎらった。

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