【シンガポール(28日)=宮下京香】女子ダブルス決勝が行われ、世界ツアー(WTT)で初めて組んだ「みわひな」ペアの張本美和(17)=木下グループ=、早田ひな(25)=日本生命=組が初優勝した。長崎美柚(23)=木下アビエル神奈川=、韓国エースの申裕斌(しん・ゆびん)の国際ペアにストレート勝ちし、WTTシリーズ最高峰、グランドスマッシュで全種目を通じて日本勢初制覇の快挙を達成した。

 張本のサーブから早田のバックドライブで決めた。息のあった連係で初V。「みわひな」ペアが笑顔でガッチリ右手を握った。WTT主催大会の最高峰を日本勢が初の頂点。張本は「全種目を通じて初めてのタイトル。本当にうれしい」と胸を張れば、同種目で2位が2度の早田も「初めて組んでまさか優勝できるとは。ホッとした」と笑顔を浮かべた。

 28年ロサンゼルス五輪で6大会ぶりに復活するダブルス種目で、エース格の2人によるペアが世界に存在感を示した。あえてベンチコーチをつけずに戦い、練習から2人で意見をぶつけ合った。1球ごとの声かけが身を結ぶ連係技も光ったのは、第2ゲーム中盤。早田が緩急で相手を前に動かすと、張本がフォアドライブで打ち抜いた。今度は早田がドライブで決める。

敗れた長崎も「特長が違うので、2人合わせたら次は何が来るのか…。脅威」と引き出しの多さに脱帽した。

 ロス五輪まで2年4か月。日本代表の中沢鋭監督の提案で、全日本選手権決勝カードで争った2人のペアがWTTで初結成。5ゲーム制では24年パリ五輪団体決勝以来。ともに戦術にたけ、性格もまじめな25歳の早田と17歳の張本美だが、8歳差で利き腕も戦い方も違う。基本は張本美がリードし、迷えば早田が決断するという。「ひなさんは聞けば決めてくれるので、ありがたい」。早田も「助けてもらった」と8歳下を頼り切っている。大会前の3日間で練習して合わせたが、今大会4試合を通してペアの練度を上げ、ハイタッチの回数も増えた。張本は「(決勝は)自信を持ってできた」と胸を張った。

 今後、組む予定はまだ決まっていないが、準決勝で“王国”中国ペアを破るなど実力は証明した。

「張本選手は自分の能力をいろいろ引き出してくれる。楽しい時間だった」と早田が言えば、張本美は「まだ完璧ではない。今後組ませていただけるのであればもっと突き詰めたい」。五輪金メダルへの道筋が見え始めた。

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