卓球 ◇WTTシンガポール・スマッシュ 第7日(28日、シンガポール・OCBCアリーナ)

 【シンガポール 28日=宮下京香】女子シングルス準々決勝が行われ、今年の全日本選手権4冠で世界ランク6位の張本美和(木下グループ)は、同2位の王曼昱(中国)にゲームカウント2―4で敗退した。過去10戦全敗の天敵の“壁”にまたしても阻まれ、4強に届かなかった。

17歳のエースは「正直、自分の技術だったり、そういうところは及ばない部分はありますし、実力の面でまだ未熟ではあります」と言葉を振り絞った。

 昨年に6連敗。今月上旬のアジアカップでも2―4で敗れており、何か手を打たないと勝機は見えない。張本はこの日「最初から強く行く」をテーマに掲げた。長いリーチで前後、左右の球を拾いまくる王に対し、第1ゲーム(G)の6―6。サーブから3球目攻撃でフォアドライブを振り切って決める。理想の形で得点し、納得顔を見せた。しかし8―8からは強振したが、連続でミス。第2Gも修正できず、相手も張本の戦い方に慣れてきた中で8連続失点。先に2Gを連取され、流れがどんどん相手に傾く中で、作戦を通常通りに戻すことを余儀なくされた。

 第3Gからは普段のスタンスに戻したが、試合序盤にすさまじい勢いで入ってしまったばかりに体への負担がかかっていた。タイムアウト明けの8―7からフォアで強振し、9点目を奪ったが、体に異変が走った。

「ちょっとリスクを負ったプレーをしたことで、痛みが出てしまった」。これまでも王戦はラリーが長く続き、試合後の体の負担はかなり大きかったといい「ああ…今回は試合中に来ちゃったか…という感じでした」と大事には至っていないという。第5Gこそ14―12で奪い返したが、強敵に黒星をつけることはできなかった。

 ただ、新たな戦い方にトライしたことで見えたこともあった。「出だしは良かったんですけど…。今持っているものの精度を上げていかないといけない」。リスクを負っても、決めきる力が必要だということ。あとは体が資本。「まずはトレーニングでしっかり体づくりをしないといけない。そこから技術、戦術の練習も加えていけたら」と張本。頭で描かれつつあるシナリオが体現できた時に“壁”を越えられるかもしれない。

 ◇シンガポール・スマッシュ 世界ツアー「WTT(ワールド・テーブル・テニス)」において最も格付けが高いグランドスマッシュ。

22年大会で年間で最大4大会。今年は6~7月に米国、8月に欧州、10月にも中国で開催。男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの5種目を行う。世界ランクに関わるポイントも大きく各種目優勝で2000ポイント。賞金総額は155万米ドル(約2億4000万円)、シングルス優勝者には賞金10万ドル(約1500万円)。

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