◆報知新聞社後援 東京マラソン(1日、東京都庁スタート~東京駅前行幸通りゴール=42・195キロ)

 男子は昨年12月に日本記録を樹立した大迫傑(34)=リーニン=が2時間5分59秒で日本勢トップの12位で力を示した。記録を更新したバレンシア・マラソンから3か月弱と間隔を詰めての連戦を「挑戦」と位置づけていた。

初マラソンに挑んだ“山の名探偵”こと早大の工藤慎作(3年)は2時間7分34秒の20位で、28年ロサンゼルス五輪の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(27年10月3日、名古屋)出場権を獲得した。(晴れ、気温16・6度、湿度33%=スタート時)

 やっぱり大迫は強かった。日本勢トップでフィニッシュし、「比較的走れたが順位的にはもうちょっと頑張りたかった」と、汗ばむ陽気の中、首都を走り切ってさわやかに汗をぬぐった。

 昨年12月7日のバレンシア・マラソンで鈴木健吾が21年に出した日本記録を約5年ぶりに1秒更新する2時間4分55秒をマーク。高強度のレースから3か月弱での試合は大迫にとっての「挑戦」だった。それでも、短期間で出走する前世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)を参考に「僕も同じように走れるんじゃないか」と決断。「ここまで仕上げてこられたのは良い経験」と満足そうだった。

 序盤は第3集団で身を潜め、勝負の後半に動いた。約38キロで日本勢トップへ躍り出ると、ついてきたのは鈴木だけ。日本記録保持者の“新旧対決”は約40キロで鈴木が前に出るなど熱い駆け引きがあったが「この集団の中でトップで帰ってきたい」と大迫もすぐ反応。約41キロで抜き返して貫禄勝ちし、ゴール後は握手してたたえ合った。これまで日本記録を3度更新し五輪には3度、世界陸上には2度出場。

「どこまでやれるか楽しみ」とチャレンジ精神が大迫を突き動かす原動力だ。

 日本陸上界のさらなる発展も願う。15年から拠点を海外に置き、練習場所は米国やケニア。レース後は「『海外勢』『日本人トップ』と言っているようではまだまだ」と環境面の大切さを熱弁。世界との差についても「(後輩と)一緒に埋めていく努力をしたい」と熱い言葉を並べた。

 今後は十分な休養を挟み、次戦は「秋口のマラソン」を予定。「今度は上位に行けるように準備していければ」。34歳はまだまだ輝き続ける。(手島 莉子)

 鈴木健吾、給水サポートしてくれた大迫に「感謝」

 〇…前日本記録保持者の鈴木健吾(30)=横浜市陸協=はプロ転向後初マラソンで、2時間6分9秒で日本勢2位の13位。「(タイムを)まとめられたことは良かった。良いスタートが切れた」。終盤には大迫から給水をサポートされる場面もあり、「感謝しかないです」。

レース後は31日付けで引退を表明している24年パリ五輪代表の一山麻緒夫人(28)=資生堂=、愛犬と笑顔で対面し、「次は私が(五輪に)連れて行けるように」と決意を込めた。

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