名牝アーモンドアイなどを育てJRA・G122勝をマークした国枝栄調教師(70)=美浦=ら東西の7調教師が1日、ラストデーを迎えた。中山4Rのチャーリーで勝利し、JRA通算1123勝とした国枝調教師。

根本康広調教師(70)=美浦=は長浜鴻緒騎手(20)との師弟コンビで最後の勝利をマークした。

 悔いのない笑顔で国枝調教師がトレーナー人生を締めくくった。中山4Rのチャーリーで最後の白星を挙げて、JRA通算1123勝まで白星を積み上げた。「長いようであっという間でした。この日で最後かと思うと、グッときますね」と万感の思いを込め、ターフに別れを告げた。

 最後まで“ホースファースト”の姿勢はぶれなかった。ラストランとなった中山9Rのバードウォッチャーは、直線で追い上げ及ばず6着。道中で前を行く他馬が落馬したあおりを受けた。「無事に終わって良かったと思います。今も馬が故障して、うちのは後ろにいて危なかったので。無事に終わって本当にすっきりしています」と、何度も「無事」の言葉を心を込めて繰り返した。

 この日の朝は美浦トレセンで軽く調教に騎乗してから競馬場に向かい、ボルサリーノの帽子でピシッと決めた姿はいつもと変わらなかった。

装鞍所では必ず最後に自らクシを手にして、「いい子だ、いい子だ」などと優しく声をかけながらたてがみや尻尾をきれいに整える。「サラブレッドは芸術品で、きれいに見せたいからね」。とにかく馬を大切にする名伯楽の“流儀”が、3冠牝馬に輝いたアーモンドアイやアパパネをはじめ、多くの名馬を育ててきた。

 「この後は健康なので、そのへんをフラフラしていますよ。馬券? 馬券は無理だね(笑)。予想? そういうのは“よそう”」と、最後は“国枝節”。馬を愛して人に愛されて、これからも歩んでいく。

(坂本 達洋)

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