歌舞伎俳優の片岡仁左衛門が2日、大阪市内で大阪松竹座さよなら公演「御名残四月大歌舞伎」(4月3日~26日)と、「御名残五月大歌舞伎」(5月2日~26日)に向け、取材会に出席した。

 今年5月末で閉館となる大阪松竹座。

思いを聞かれると「松竹に育てられた人間として、松竹の歴史としても非常に寂しい。どういう形にしろ、もう一度道頓堀で歌舞伎を打てる劇場、芝居小屋というのを再建できるように頑張りたいと思っているんですよ」と率直な気持ちを明かした。

 大阪で生まれた文化を大阪で守っていきたい意向を語った仁左衛門。今回演じる4月公演の「菅原伝授手習鑑 寺子屋」では松王丸を松本幸四郎とダブルキャストで、5月公演の「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」では佐々木盛綱を勤める。「寺子屋」は松竹座での襲名披露興行で勤め、「盛綱陣屋」は松竹座再開場の時に勤めた思い入れの強い2演目。「この座組、このタイミングではこの2つかな」とほほ笑んだ。佐々木盛綱は久しぶりに1か月間、一人でつとめることもあり「やはり勤めるからには、きっちりと勤めたい。疲れてきた状態では勤めたくない」とキッパリ言い切った。

 5月公演では「當繋藝招西姿繪(つなぐわざおぎにしのすがたえ)」で監修も務める。「松竹座への思い、道頓堀、上方歌舞伎への感謝の気持ちを込めて、踊りやお話とかで構成したい。皆さんとの距離を縮めた番組にしたい」と意欲的。出演については「千秋楽だけ…」とちゃめっ気をのぞかせた。

 最後となる大阪松竹座での歌舞伎。毎年夏恒例の船乗り込みについては「船乗り込みだけやらしてもらえないかとお願いしましたが、無理だということで…」と残念そうな表情を浮かべた。最後に「歌舞伎をご覧になったことがない方にも、長く親しんでこられた方にも見ていただきたい。初めての方を逃がしたくない。歌舞伎ってつまらんなと思われないように勤めたい」と抱負を語った。

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