誰もが目を丸くした。1軍休養日の2日午前10時59分。

リチャード内野手(26)が、G球場の室内練習場に現れた。那覇キャンプを打ち上げ、1日に帰京したばかり。「練習日と間違えました!」。全体練習は3日午前9時からスタート予定で、本来なら遅刻となる時間帯の登場だ。休日返上の決意を悟られまいとした、照れ隠しの“リチャ節”だった。

 その覚悟を裏付けるように、体から湯気を立てて振り込んだ。室内でティー打撃を終えると、約300スイング。ライナー性の快音を連発し、納得したように何度もうなずいた。1日のフリー打撃で逆方向への打球に手応えを得ていただけに「マジで打ちたくなったんです。いてもたってもいられなくて」。キャンプ最終日につかんだ感覚を体にしみこませようと1時間超、汗を流した。

 阿部監督は14日の日本ハム戦(東京D)から開幕を見据えたオーダーを組む方針。

12日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)までのビジター6試合が、開幕スタメン奪取に向けて重要なアピール機会になる。「シーズンに向けて、使いたいって思ってもらえるように。内容にこだわっていきたい」とリチャード。昨季自己最多の11本塁打を放ったパワーは誰もが認めるだけに、確実性の向上が定位置確保へのカギとなる。

 坂本、石塚、荒巻、新外国人のダルベックら一、三塁を争うライバルは多士済々。練習を終えると「しっかり確認できました。明日から本当の練習が始まる」と気を引き締めて家路に就いた大砲。試練を乗り越え、ひと回り大きくなる。(内田 拓希)

編集部おすすめ