シンプルなノートに、あえて手間をかける。既製品に“自分の好き”を足し算する。

効率やタイパが叫ばれる時代に、Z世代はなぜアナログな「デコ」に没頭するのか。その背景には、自己肯定感を自ら設計するという明確な意思があった。

 Z世代特化のシンクタンクZ-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)(運営:Fiom合同会社)が、全国の18~24歳384人を対象に実施した調査によると、デコによって「自己肯定感・モチベーションが向上した」と回答した人は72%に上った。さらに65%がデコを「自己表現の重要な手段」と認識。認知度は86%、経験者も61%と、文化として定着している実態が浮かぶ。

 デコをする理由の1位は「オリジナリティを出したい」(60%)。「可愛くしたい」(52%)が続き、既製品をそのまま使うのではなく、“自分仕様”に再編集する志向が鮮明だ。推し活グッズをデコる人は77%、学校用品も36%に広がる。

 完成品よりも制作過程を楽しみ、SNSで共有する。無地という“余白”を選び、自分の価値観で埋める。その行為自体が、Z世代にとっては日常を肯定する装置となっている。企業に問われているのは、完成度ではなく「仕上げられる余白」をどう提供できるかだ。

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