WBCに出場するチェコ野球が「マイナースポーツ」の枠を超え、国民的な情熱の対象へと変貌(へんぼう)を遂げている。昨年は欧州選手権で、史上初めて3位に躍進。

チェコ野球界は今、かつてない黄金期を迎えている。

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が発表した2025年末の最新ランキングで、チェコは世界15位に浮上した。欧州内では、オランダ(9位)、イタリア(14位)に次ぐ3番手に位置する。長年のライバルだったスペインなどを抑え、地域を代表する強豪国としての地位を不動のものにした。

 昨年の欧州選手権3位決定戦で、チェコ代表は前回王者のスペインと対戦し、9対2で圧倒。史上初の3位となった。代表選手の多くは消防士や教師、金融アナリストなどの本業を持つ「セミプロ」だが、強豪を次々と撃破する姿は国内外のメディアから「スポーツ界の奇跡」と称賛された。 躍進の背景には、国内トップリーグ「EXTRALIGA(エクストラリーガ)」の存在がある。計8チームで構成され、最多24回の優勝を誇るドラツィ・ブルノを中心に、高い競技レベルが維持される。千葉ロッテを退団した荻野貴司外野手はこのチームに移籍し、プレーを続ける。リーグはアマチュア主体の運営であり、公式な年俸データはほとんどなく、野球のみで生計を立てられる環境ではない。だが、Uー15やUー23の欧州選手権を勝ち抜いた黄金世代が次々と台頭。

一貫した育成システムが、現在のランキング上位定着に直結している。

 現地関係者によると、国内のメディア露出も激増した。以前はサッカーやアイスホッケーの陰に隠れていたが、現在は国営放送や主要メディアサイトが連日のように報道する。日本とは10日に対戦するが、どこまで白星を重ねられるか。再び、世界の大舞台で旋風を巻き起こす準備は整った。

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