漫才コンビ「笑い飯」の哲夫が5日、大阪市天王寺区の大阪市立美術館を訪問。スペシャルゲストとして開催中の「興祖微妙大師六百五十年遠諱記念特別展『妙心寺禅の継承』」を鑑賞し、芸能界屈指の仏教、お寺好きとしての知識で、同行したファンのみならず学芸員をもうならせた。

 哲夫が興味を示した展示物のひとつが、日本臨済宗中興の祖とされ「500年に一人の英傑」とたたえられた白隠慧鶴(はくいんえがく)の書画。この「中興の祖」に引っかけて、報道陣から「お笑い界の中興の祖は誰か」と、まさに臨済宗の禅問答のような問いを受けて、こう答えた。

 「これは難しいなあ。廃れたという印象もないし…。中興の祖かあ。せやけど、僕ら世代にガツンと影響を与えてくれたのはダウンタウンさんじゃないですかねえ。でも前の人が廃れてたってなるから…。何かちょっと変えたいな。ストレートすぎますもんねえ…」

 ここで生真面目にも長考モードに入った哲夫。報道陣から「上方落語四天王は?」と“助け舟”も出たが「う~ん」と引き続き考慮に沈んだ。さらに報道陣から「WボケWツッコミの漫才を発明したコンビ(つまり笑い飯)は?」とガヤが入り、ひらめくものがあったようだ。

 「そういう意味で言いましたら、M―1(グランプリ)というものが中興の祖かも分かんないですね。

(20世紀末は)割と漫才はおじさんがするものという印象があって、(若手がやるのは)コントが多かった時代。漫才が年齢問わずにやるもの、楽しめるものに変わったのはM―1のおかげかなと」

 2001年に第1回大会が開催され、中川家が初代王者に輝き、笑い飯も10年の第10会大会で頂点に立った。漫才の復興に寄与したお笑い界最高峰の賞レースの存在に感謝しつつ「ダウンタウンさん(と言った事実は)消しといてくださいね」と笑わせた。

 お笑いを仕事とする哲夫は、お笑い的にも臨済宗に救われているという。

 「一休さん(臨済宗の僧侶・一休宗純)で漫才をつくったこともありますし、おふざけで般若心経の本を書いたときに“仏教的に正しい『一休さんの歌』”っていうのを作ったこともあります。『♪好き好き好き好き』じゃなくて『♪慈悲慈悲慈悲慈悲』と。これをテレビで放送してもらったあと、本がすごく売れました。臨済宗のお世話になってます」

 功徳を得た(?)エピソードでも笑わせていた。特別展は4月5日まで。

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