大相撲春場所は8日にエディオンアリーナ大阪で初日を迎える。3場所連続優勝と初の綱取りに挑む大関・安青錦(21)=安治川=は7日、大阪・松原市の部屋宿舎で最終調整。

新調した黒色の締め込み姿で体を動かし、集中力を高めた。本場所中には、東京の安治川部屋と同じ江東区内にあるウクライナ料理店が、大阪宿舎へ出張するプランもある。強力な援軍を力に最高位を目指す。

 安青錦は引き締まった表情で、黙々と四股を踏み続けた。場所前、最後の朝稽古となったこの日は、黒色の締め込み姿で稽古場へ。締めた感触を確かめるように、すり足などの基礎運動を繰り返し、約2時間汗を流した。

 先場所は12日目に青色の締め込みから、師匠・安治川親方(元関脇・安美錦)が現役時代に締めていた黒色のものを借りて着用した。自分用の締め込みとなった今回、選んだ色は黒。「師匠と同じ色というのもあるが、上に上がったらこれにしようかなと、前から決めていた」と説明した。

 強力なバックアップ態勢が整いつつある。先月14日、江東区内にウクライナ料理店「DOMIVKA(ドミウカ)」がオープン。母国の味を手軽に楽しめるようになった。

さらに同店の真下博志代表によると、本場所中にはシェフが大阪へ出張するプランがあるといい、「本物を目の前で作って、食べてもらいたい。そして横綱に昇進してほしい」と思いを語る。

 千秋楽翌日の23日に安青錦は22歳の誕生日を迎える。記念日を直接祝うことはできないが、4月に帰京した際には同店で誕生日パーティーを行うことも約束済み。「店のレベルアップも含めて、全力で盛り上げたいと思っている」と、全力で背中を押す。

 記録ずくめの昇進に挑む。初土俵から所要16場所での横綱昇進なら、朝青龍の25場所を抜き、年6場所制となった1958年以降初土俵の力士で最速(付け出しを除く)。さらに大関在位2場所での昇進は昭和以降で双葉山、照国以来3人目だ。場所前は出稽古を中心に調整してきた。「(大阪入り後から)体重も落ちていない。しっかりやれたので、あとはやるだけ」と準備は万全。ウクライナ出身の21歳が、大相撲の歴史に名を刻む戦いに臨む。

(大西 健太)

 ◆締め込み 本場所で十両以上の力士が着用するまわし。博多織のつやのある絹織物で作られ、力士それぞれ色が異なり、土俵に彩りを与える。幕下以下は稽古場で使う黒い木綿のまわしを使用するため、締め込みの着用は関取の特権。後援者らから贈られることが多いが、色は力士自身で選ぶ。

 ◆ウクライナ料理 豊富な食材を使用したたんぱく質、脂肪、炭水化物が豊富な料理で、味つけが濃いのも特徴。ビーツを主材料とした赤色の煮込みスープ「ボルシチ」が代表的で、安青錦も好きなウクライナ料理として頻繁に挙げている。

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