J2藤枝は今季初のJ2磐田との県勢対決を制して、今季初の連勝を飾った。元日本代表DF槙野智章監督(38)は指揮官として「蒼藤決戦」初勝利を挙げた。

前半26分に磐田FWグスタボシルバ(28)に先制点を許したが、プロ初スタメンの大卒ルーキーMF三木仁太(22)が同点弾。前半アディショナルタイムにMF菊井悠介(26)が退場して数的不利となったが、守り切ってPK戦を6―5で制した。磐田は後半、再三の好機を決められず、得意としていたPK戦で敗れた。

 藤枝は後半何度も迎えた絶対絶命のピンチを切り抜け、今季初の「蒼藤決戦」に勝利した。伝統ある磐田を退け、槙野智章監督は「大きく歴史を変えた」と試合後、自信に満ちた表情で胸を張った。これまで磐田との公式戦は1勝4敗。「(試合前ミーティングで)歴史を変えようと選手に伝えていた。目指すフットボールでどんなメッセージを出せるか。相手にかなりの傷を与えられた」。苦しい展開の中、ピッチ際から声を出し続けた指揮官の声はかすれていた。

 個々に課題を伝え、寄り添う監督の起用が的中。プロ初先発となった三木がボランチで出場し、1点リードされた場面でゴール前のこぼれ球を右足で押し込んだ。

前節いわき戦ではFW真鍋隼虎(22)が決勝点。同じ新人が結果を残す中、「悔しさはあった。何かを残してやろうと思っていた」。開幕戦では途中出場するも、球際で後手を踏んだ。課題を短期間で改善したことが評価され、出場機会をつかみ、しっかりと期待に応えた。

 前半アディショナルタイムに菊井が退場。プレースキッカーであり、今季チーム最多3得点の点取り屋を失った。それでも指揮官は「ハーフタイムの雰囲気で勝てると思った」。キャプテンマークを巻いたU―23日本代表のDF永野修都(19)が「人数が少なくても勝てる。ゴール裏のサポーターと一体になって全員で勝とう」と声をかけ、仲間を鼓舞。耐え忍ぶ時間帯でも体を張り続けた守備に、監督は「ボールに対して守りに行く姿勢や最後まで体を張る粘り強さなど、昨年までなかったものが植え付けられている」。元日本代表DF自ら落とし込んできたものが形になっている手応えを口にした。

 数的不利の中でも勝ち切る強さが芽生えた槙野監督率いる藤枝がさらに成長し、連勝を伸ばす。(伊藤 明日香)

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